与那覇湾の大切さ実感/下地小で環境教育
ラムサール条約登録受け
下地の与那覇湾が水鳥の生息地として国際的に重要な湿地の保存に関するラムサール条約に登録されたことを受け、下地小学校(友利克彦校長)で13日、環境教育が行われた。講師に地域の環境に詳しい金子導夫さんが招かれ、与那覇湾の環境について講話した。3~6年生135人は、改めて与那覇湾の保全の大切さを実感した。
金子さんは、本土から宮古に移住して今年で5年。現在は宮古島サンゴ礁ガイドのなかまたち会員、宮古島市クリーン指導員、宮古島環境クラブ会員の肩書きを持ち、ボランティアで環境問題に取り組んでいる。 与那覇湾は渡り鳥で水鳥の貴重な餌場や休息地、中継地となっている。ここ数年、世界に2000羽ほどしか生息しないとされる絶滅危惧種クロツラヘラサギ(トキ科)の数羽が飛来している。数羽は世界最大の繁殖地韓国の江華島を行き来し、冬は与那覇湾で越冬したりしている。
また秋の渡り期などの与那覇湾には、シギ科のオオソリハシシギやホウロクシギ、ダイシャクシギ、チュウシャクシギなどが飛来。そのほかにカモ、ウ、カモメの仲間が訪れ、渡り鳥の混成の集団が干潟を彩っている。
金子さんは「与那覇湾には海草の藻場があり、水鳥の貴重な餌場となっている。餌場がなければ水鳥は来ない。最近は藻場に砂がたくさん溜まり、生育環境が悪い。藻場は大事に保全しなければならない」と強調した。
また今後の活動については「みんなの力で水鳥が観察できる野鳥観察センターを設置し、自然災害に強いマングローブを植えたい。環境、水質、ヘドロ、海草、ごみを調査し、世界に誇れる美しい与那覇湾にしたい。皆さんと一緒にイラストマップも作りたい」と意欲を見せた。