キビへ補助かん水開始/大型トラックフル稼働
梅雨明け以降雨なし
市の干ばつ対策で大型トラックによるサトウキビへの補助かん水が、15日から始まった。容量10㌧のタンクを積んで、給水所と畑をピストン往復。ほとんどのトラックは1日に10回以上通うフル稼働に入った。
宮古島地方は梅雨明けした先月23日以降の3週間少雨傾向が続き、サトウキビの春植や株出では葉が丸くしぼむロール現象が出始めた。土壌の浅い畑では、葉が黄ばむ黄化現象も見られる。
1巡目のかん水は1農家当たり30㌃(約3反)、トラック9台分を割り当てた。農家の水需要は多く、上野宮国一帯を担当する本村章さんへの依頼は16日現在で13件に上った。かん水は春植、株出や夏植種苗用を優先している。
宮古本島の給水所は製糖工場の2カ所と宮古土地改良区が管理する26カ所の計28カ所を無料開放している。
トラック1台当たりのかん水費用は3500円で、市が2000円を補助、農家は1500円負担する。
伊良部地区は、きょう17日に対策会議を開いて、かん水費用などを決めて、18日ごろからの開始を予定している。
小型タンクを使って自主かん水する農家も多い。砂川安功さん(64)=城辺砂川=は、1週間前から始め、約40㌃に散水を終えた。砂川さんは「50㌃にはスプリンクラーが入りコックをひねるだけなので労力は要らない。これに対して、トラックを使うかん水は大変な重労働。早く雨が降ってほしい。水無し農業を終わらすためにも、地下ダムの水が早く使えるようにしてほしい」と話した。
宮古島地方気象台は13日に「少雨に関する気象情報第1号」を発表し、農作物や水の管理に十分な注意を呼び掛けた。6月23日から15日までの各地の降水量は平良下里0㍉、城辺1・0㍉、下地島2・0㍉、多良間仲筋1・0㍉とほとんど降っていない。少雨傾向は、今後2週間は続くと見込む。沖縄地方の南東に発生した台風7号に伴う雨も、「期待できそうにない」と話している。