キビ共済金は3億8000万円/県農業共済組合
今期不作で過去最高/1戸当たり平均23万4000円
県農業共済組合(比嘉俊昭組合長)は、大不作となった2011-12年期産サトウキビへの共済金3億8212万円を今月30日に振り込む。24日の宮古地区農業共済事業推進協議会で報告した。支払い額は1972年の復帰の年に、農業共済制度が宮古で始まって以降、過去最高。対象農家は1628戸で、1戸平均は、23万4000円。農家負担金6016万円の6・35倍支払われる。
沖縄型農業共済今年度スタート
同会では31日に、キビ共済の「無事戻し金」1167万円を払い戻すことや、12年度から始まる「沖縄型農業共済制度推進事業」の概要も説明。会長に同組合の砂川栄市職務代行理事を選任した。
沖縄型農業共済制度は、キビ共済と園芸施設の加入率向上を目的とする。
キビ共済加入農家には、肥料の購入費や、ハーベスター使用料などを県が支援。現在の対有資格加入率(約50%)を数年後には70%に引き上げる目標を示した。
園芸施設共済加入農家にはビニールやネット、農薬、骨材の購入費などを支援する。
キビ共済の支援限度額は、農家負担掛け金の22%以内、園芸施設共済は同60%以内。12年度の事業実施期間は、今月予定されている補助金交付決定以降、来年3月末まで。加入農家は、申請書に営農資材の明細や金額などを記載し、共済組合支所に提出する。
同制度では、関係団体などに加入推進活動経費や、共済引き受け実績に応じた普及推進費も支援する。
同制度は、沖縄の共済加入率が、台風被害が多いために掛け金負担が重く低迷している状況の改善を目指し、創設した。
比嘉組合長は、同制度の周知による加入率向上に委員の後押しを求めた。
11-12年期産キビは、昨年2~3月の低温や日照不足、5月の台風などの影響で、不作となった。県全体の共済金は、8億929万円で、宮古は約5割を占めた。
無事戻しは、3年間無災害か、農家への支払い共済金が3年間の掛け金合計額額の2分の1以内の場合、3年間共済に継続加入している農家に掛け金の一部が払い戻される制度。交付対象者は、636人となっている。