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美ぎ島net
2012年7月28日(土)22:32

つながる橋に夢ふくらむ/伊良部地区

橋詰め広場の有効利用を/伊良部地域づくり協議会


長山の高台から俯瞰(ふかん)した工事中の伊良部大橋

長山の高台から俯瞰(ふかん)した工事中の伊良部大橋

 日に日に伸びてくる架橋を目前に、島の人たちの願いは島の活性化。伊良部地域づくり協議会(比嘉臣雄会長)は、島を花いっぱいにして多くの人たちを迎え入れようと環境整備に力を入れる。中心となる生活環境部会(長浜英吉部会長)の活動は目覚ましく、一緒に活動する比嘉会長は「橋の完成も間近で、観光客を含めよそから入る多くの人たちのために島を美しくしていきたい」と話し、島全体のデザインを始めた。


伊良部支所前の広場は生活環境部によって開発が進む

伊良部支所前の広場は生活環境部によって開発が進む

 先月29日、同協議会は総会を開き23年度の活動経過などを確認した。同協議会は、総務企画部会・事業推進部会・生活環境部会・文化福祉部会・健康スポーツ部会の五つに分かれ、それぞれの分野で活動する。中でも生活環境部会(10人)は昨年、佐和田児童館周辺・忠魂碑周辺・佐和田の浜・漁港・伊良部支所、一本松公園の清掃、佐和田線倒木除木、白鳥崎入口花壇整備など精力的に進めてきた。今年度はメーン通りや広場に花木を植栽する予定で、構想は着々と進む。

 島の整備に取り組む同部会は、橋詰め広場の辺りから牧山展望台までのフラワーロード、平成の森のカワズザクラ、伊良部支所周辺の花木と薬草園、カントリーパークの花壇、土地改良区のポケットパーク、一本松農村公園などの整備などを行っていく予定。実際に動き出している箇所もあり、支所周辺は連日、部会のメンバーが整備作業に精を出している。

 比嘉会長は「フラワーロードは約2キロあり、そこにはフヨウやツバキ、サクラ、ノボタン、サンダンカなどを植栽する予定。平成の森にはカワズサクラを2月に550本植栽、伊良部支所方面には、アコウ、モモタマナ、ガジュマル、ゴールデンシャワー、クロキ、ホウオウボク、カエンボク、ヤブツバキ、サルスベリ、ソシンカなどの花木を植栽する。中にはコウテイヒマワリのように年中花を咲かせる花木もあり、支所の広場にはすでに80本を植栽した」と話す。

 先日、住民説明会を行った伊良部大橋建設現場事務所の仲嶺智主幹は「橋の開通は2014年3月を目標にしている。橋が完成したら交通量も増えるだろうし、島に多くの人たちが入ってくることが予想される。道路を始め、橋詰め広場に東屋、特産品を扱った施設などが造られると思うが、用地交渉はこれから。スムーズに工事が進められるためにも地権者には協力をお願いしたい」と話した。


パヤオ漁と共に30年/8月12日に第6回パヤオ祭り

漁師生活47年の伊良波淳世さん(62)/前里添


海は最高の仕事場と言う伊良波さん

海は最高の仕事場と言う伊良波さん

 宮古島では2007年、パヤオ(浮き魚礁)の語呂合わせで8月8日を「パヤオの日」と制定し、海の恵みに感謝し航海安全と豊漁を願う式典と祭りを開催してきた。今年は設置30年の節目で8月12日、伊良部漁協を中心に開催される予定。主催の宮古地区パヤオ管理運営委員会(友利義文会長)はその取り組みに大わらわ。

 1982年、旧伊良部町漁協が沖縄県、伊良部町、県漁業振興基金の補助を受けて、浮き魚礁6基を設置し、漁獲の成果を得たことが沖縄県下のパヤオ漁業の始まり。漁業者にとって、魚群探索の無駄が省かれ、燃料費の節減など省力化が図られることなど、宮古の水産業振興に大きく貢献してきた。

 池間島で生まれた伊良波さん。環境がそのまま海の側だったこともあり、中学を卒業すると共にカツオ船に乗っていた。「ずっと海の恵みで生活してきた。今さら他の仕事は考えられない」と話す。今年はパヤオ設置30年に当たる。伊良波さんは最初の組合員。

 天気の良い日は、約28㌔先のパヤオまで出掛ける。カツオは夜明けの食い付きが良く出発は午前2時ころ。18歳で三重県のカツオ船に乗った。同じころ同県で働いていた佐良浜出身の克子さんと出会って二十歳で結婚。32歳で克子さんの古里へ帰り腰を据えることにした。最初の持ち船・美吉丸は1・7㌧、2隻目が3・2㌧、現在の3代目美吉丸が4・85㌧と次第に船も大きくなり、3年前からは長男・宏紀さん(36)が漁を手伝うようになり、後継者にも恵まれた。

 夏場は台風、冬は時化たりと年間漁に出られるのは100日程度。1回の出漁で2万円余の燃料費がかかる。それにえさ代。それなりの水揚げがないと赤字は免れない。必死だ。それでも釣り上げた達成感がまた海へと向かわせる。

 6月上旬に供用開始となった浮き桟橋に船をつなぐ。くし形になった桟橋には26隻が係留する。「年々魚は減ってきたように思う。農業でもそうだろうが、若者の漁業離れが心配。魚だけではやっていけないので講習を受けて観光業にも携わる漁師も増えてきた」と懸念も明かす。

 四十数年、漁業一筋で生活してきた伊良波さん「海風を浴びたら気持ちがすかっとして、俗世の煩わしさもすべて忘れる。せめて古稀までは現役で海に出たい」と話し、夏場これから活気づくカツオ漁に意気込みを新たにする。

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