生産見込み29万8000㌧/宮古島市12-13年期キビ
気象条件良く生育順調/春植え、株出しの面積3割に
宮古本島と伊良部島の各製糖工場が実施する2012-13年産サトウキビの第1回生産見込み量調査の結果がまとまった。3工場全体の生産見込み量は29万8621㌧で、宮古島市だけで30万㌧を超える勢い。大不作となった前期生産量18万7000㌧を大幅に上回るのは確実で、適度な降雨など気象条件に恵まれたことが増産の要因。今回の調査では植え付け体系の変化も顕著に表れ、春植えと株出しの面積が全体の約3割に及ぶことが分かった。
第1回調査結果は7月1日現在。豊作型で夏植えを中心に生育が良い。製糖工場などによると、年末年始の低温や日照不足の影響は受けているものの、梅雨時期の適度な降雨で回復しており、今後の気象条件次第ではさらなる増産も期待されるという。
懸念材料は6月22日以降の少雨だが、接近している台風9号が雨をもたらしていることから干ばつ傾向の解消が期待される。
宮古島市の地区別生産見込み量は▽平良8万1500㌧▽城辺9万998㌧▽下地3万7000㌧▽上野3万879㌧▽伊良部5万8244㌧-。調査中の多良間村の生産量を加えると、宮古地区全体では30万㌧を上回る見込み。
10㌃(約1反)当たりの平均収量は平良、下地、伊良部が7㌧に達している。
収穫面積をみると、春植えと株出しが増加。全体面積が4345㌶(約4381町)で、夏植えが3153㌶(約3179町)、春植えが359㌶(約362町)、株出し833㌶(約840町)。全体の27・4%を春植えと株出しが占めており、多様な植え付け体系の構築に向けて生産者の意識と作業の変化が数字で示された。
12-13年産について沖縄製糖の砂川玄悠専務は「作柄が豊作で、豊作時の気象条件になっている」と増産を期待する。「低温や日照不足の影響はあったが、その後の気象条件が生育を促進した。今後の気象条件次第では30万㌧を超える可能性もある」と話した。
宮古島市のサトウキビは前期大不作に見舞われ、全体生産量が20万㌧を割り込むなど糖業関係者は大きな打撃を受けた。その分、今期の豊作が期待される。今後、干ばつ傾向や台風の塩害などの影響が懸念されるが、今回第1回調査時においては順調に生育していることが裏付けられた。