共済加入牛 年間577頭死亡/11年度宮古地区
胎児・子牛75%占める/事故低減し農家所得向上へ
県農業共済組合の家畜共済加入牛のうち、2011年度に宮古地区で事故死した牛は577頭に上ったことが、7日の宮古郡家畜損害防止対策協議会(渡真利等会長)の総会で報告された。宮古家畜市場の1カ月分の上場頭数に匹敵する。渡真利会長は「12年度は事故低減を図り、農家所得を向上させるため勉強会を実施する」と方針を示した。
死亡牛の成牛、胎児・子牛別内訳は胎児・子牛が437頭と多く、全体の75%を占めた。死因は肺炎や下痢、虚弱などがほとんどという。成牛が140頭(24%)だった。
共済加入牛に占める死亡牛の割合を示す被害率は2・8%。07年度(2・2%)から3年連続伸び続け、10年度は3・1%に達した。11年度は、前年度と比べ0・3ポイント低下した。
宮古の年間死亡牛頭数は共済に加入していない牛も含めると、1000頭に上ると推測されている。
県と共済組合は、子牛の肺炎や下痢予防のためにワクチンや駆虫薬の経費を助成している。負担割合は県が3分の1、共済組合3分の1、残りが農家負担。宮古家畜診療所(電話72・7113)で受け付けている。
宮古郡家畜損害防止対策協議会は、口蹄疫などの海外悪性伝染病の侵入防止や家畜の事故低減などを目的に、2000年9月に発足した。
渡真利会長は、口蹄疫は近隣諸国で今なお続いており、いつ侵入してもおかしくない状況と指摘。今後とも「毎月20日の消毒の日を励行する必要がある」と強調した。