見直し案を説明/学校規模適正化計画説明会
市教委 より良い教育を強調
住 民 中学統合案を疑問視
宮古島市教育委員会(川満弘志教育長)は9日、伊良部の東区構造改善センターで、伊良部学区の住民を対象に学校規模適正化計画素案の説明会を開いた。これまで2014年度をめどに伊良部、佐良浜小学校を1校に統合するとしていた基本方針を見直し、「検討する」と改めた素案を示して理解を求めた。一部住民は伊良部、佐良浜の中学校を19年度までに統合する素案を疑問視し、統合の根拠説明と再考を求めた。市教委は「より良い教育環境の整備」を強調した。
基本方針を見直した素案の説明会は初めて。川満教育長は「より良い学校環境を作り上げることが私たちの役目。子どもたちが行きたい学校、親が行かせたい学校、地域が支えたい学校を目指したい。より良い教育条件を整えるための話し合いにしたい」と参加住民に理解と協力を求めた。
伊良部地区のこれまでの基本方針は▽佐良浜小と伊良部小を14年度をめどに1校に統合▽佐良浜中と伊良部中を14年度をめどに1校に統合-だったが、素案では▽(小学校は)児童数の推移や中学校の結果を見守り検討▽佐良浜中と伊良部中を19年度までに1校に統合-に見直された。
基本方針の提示で強い反発があった小学校の統合案が「検討」に改められたことから、住民らは市教委の姿勢を一定評価した。一方で中学校の統合については異論が噴出。「中学校を統合する理由がない」「なぜ佐良浜中と伊良部中の統合が先行されるのか」「地域の発展に影響する」「少人数でも工夫した授業が展開されており、成果もしっかりと上がっている」などと意見を述べた上で、市教委側の説明を求めた。
統合の理由について川満教育長は「より良い学校環境を作るため。競争の喜びや挑戦の楽しさ、そのような子どもたちの欲求を満たそうと思えば少ない人数では難しい」と話した。地域振興との兼ね合いでは「教育委員会は子どもたちの教育を第一に考えて条件を整備したい」と強調。授業のあり方では、少人数より授業形態の幅が広がることなどをメリットに挙げた。
素案の中で、佐良浜と伊良部の中学校統合を先行する理由については「(他の地域は)範囲が広く、通学のストレスが高い」などと回答して理解を求めた。
この日の説明会では、中学統合について住民の明確な賛否表明はなかった。市教委は住民の意見や提言を持ち帰り検討し、その結果を再度伊良部学区の住民に示して意見交換を行う。
市教委は、その他の地区での説明会も予定しており日程調整を進めている。