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旧暦:10月24日 先負 壬 
行雲流水
2012年8月23日(木)17:17

「地域性と普遍性」(行雲流水)

 きょうは、二十四節気の「処暑」。暑さのやむ時期だとされる。立秋はとっくに過ぎ(8月7日)、時候のあいさつでは「初秋の候」などと書く。だが宮古の実感では、まだ「盛夏の候」だ


▼二十四節気は、紀元前に中国の黄河流域で編まれた農業用の暦。日本の近畿地方の緯度は黄河流域の洛陽とほぼ同じだ。中国の暦を取り入れても違和感はなかったものと考えられる

▼しかし、宮古の季節感は違う。太陽の運行(春分、夏至、秋分、冬至)は同じでも、農事関連の節気(清明、小満、芒種、寒露など)は字義通りにはいかない。宮古の先人たちは、実情に合わせた独自の解釈で運用していたと思われる。寒露はタカの渡りの季節という具合に

▼タカが飛来するころには風邪がはやり、「タカ ヌ パナスキ」と称した。現代の「インフルエンザ」だ。その原因は渡り鳥にあることをも、先人たちは知っていたようだ

▼種もの屋でみかける家庭園芸用の種子袋には、発芽率、種まき時期などが印刷されている。が、はたして宮古の土壌・気候に即したものなのかどうか。洗剤メーカーは全国各地の水に合った製品を研究開発し、宮古島向け洗剤は宮古の水で泡が立つように調合している

▼宮古の農業分野でも、地域特性に着目した研究開発が必要だが、その成果を普及していく工夫はさらに重要だ。本土仕様の教則本だけでなく、先人たちがそうしたように、宮古独自の副読本があってもいい。学問を生かし根付かせるためにも、経済活性化のためにも不可欠のように思えるのだが。

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