平良図書館 若者のコーナー充実を
環境向上へ提言書/こども大使が教育長に
今月8日に「平良図書館こども大使」に任命された10人の中高生が29日、宮古島市役所城辺庁舎に市教育委員会の川満弘志教育長を訪ね、同図書館の利用環境の向上を求める提言書を提出した。7項目にわたる提言で図書館の案内板設置やヤングアダルト(YA)コーナーの充実、障害者でも使いやすい施設環境の整備を訴えた。川満教育長は提言内容に理解を示し「中高生が使いやすいような工夫をしていきたい」と前向きに検討していくことを約束した。また、今回の活動におけるこども大使の観察力を高く評価した上で「これからも図書館の楽しさをアピールしてほしい」と一層の活躍に期待を込めた。
こども大使は、図書館の利用率向上を目指して市教育委員会が任命した。中学生7人と高校生3人が、過去4回の活動の中で平良図書館について話し合い、提言内容をまとめてきた。
その結果、29日に提出した提言書には▽案内板の設置▽入り口コーナーの書籍の充実▽図書館カウンター職員の常時待機▽学校図書館で平良図書館の本を検索できるシステムの検討-とする趣旨の要望を書き込んだ。
提言書の提出では、はじめに宮古総合実業高校2年の下地双葉君が「みんなで話し合い、7項目にまとめました。中高生の意見が反映された平良図書館へと改善されることの一助になればうれしい」と話した。
その後に行われた川満教育長との意見交換で、こども大使は堂々と自分たちの考えを主張した。案内板設置については「図書館は閉鎖され、ないと思っている人が大勢いる。平良図書館の看板も分かりにくい」と訴え、案内板と見やすい看板の設置を要望した。
川満教育長は「お話しの通りです。今の図書館は市役所平良第2庁舎で、市役所の別の部署も一緒なので分かりにくい。看板や表示方法など、分かりやすくなるための工夫をしたい」と答えて理解を求めた。
別の大使は「入館する際の扉が重たい。ホールも暗くて第一印象としてあまり良くない」と指摘した。川満教育長は「確かに重くて開けにくい。ホールの照明も含めて関係部署と協議していきたい」と話した。
YAコーナーでは「現在のYAコーナーは、奥の方にあって分かりにくく、私たちの世代はどこに入れば良いのか迷う。気軽に図書館を利用できる環境にすれば中高生は増える」と話して改善を求めた。
これに川満教育長は「大使の意見を反映して分かりやすいところにコーナーを配置したい」と約束した。
そのほか、新しい図書館建設についても川満教育長と語り合った。読書に関する意見も交わし、夏休み期間中のこども大使は充実の時間を過ごしていた。
こども大使は次の通り。
【中学生】野中友貴子(北1年)▽下地紅杏(同)▽池間優花(同)▽下地政智(西辺1年)▽盛島大雅(同2年)▽下里莉奈(久松2年)▽川満紗綾(同)
【高校生】野中美希子(宮総実2年)▽与那覇千穂(同)▽下地双葉(同)