半月ぶり送水再開/農業用水
復旧終了 農家一安心/西原の県道崩壊
平良西原の県道83号(保良西里線、通称一周道路)が一部崩落し、歩道に埋設されていた農業用水の送水管が折損し、送水がストップしていた事故で、宮古土地改良区(仲間克理事長)は14日までに復旧工事を終え、15日午後にはすべての受益地区へ送水を再開した。半月ぶりの送水に受益農家は「植え付けたばかりのサトウキビの生育が心配だったが、水が使えるようになって良かった」とほっとした様子だ。ただ、崩れ落ちた歩道や道路の復旧はこれから
で、しばらくは片側通行となる。
今回の事故は8月の台風接近に伴う大雨の影響で、歩道を含めた斜面部分が地滑りを起こしたものとみられる。8月7日に最初の崩落があり、同31日には再び崩れ、埋めてあった農業用水の送水管が折れて壊れた。
この事故で平良大浦西や島尻、狩俣の3地区全域で畑地かんがい施設が断水となり、キビの夏植え後の散水ができなくなっていた。
農業用水を管理する宮古土地改良区は今月5日から本格的な復旧工事に着手。壊れた送水管を交換する作業などを実施していた。
同改良区は13日に理事会を開き、今後の対応を協議。復旧工事費は約700万円で、このうち2割(140万円)が同改良区の負担になることから、国に対し地元負担分の免除を求めて要請することを全会一致で決めた。
現場は、現在も歩道を中心に長さ約㍍、幅は最大10㍍にわたって崩落している。車両などは片側通行を余儀なくされている。
この道路を管理するのは県宮古土木事務所だが、歩道を含む道路の完全復旧にはまだ時間がかかりそうだ。
島尻でキビとマンゴーを栽培している辺土名豊一さん(73)は「キビを植え付けた直後に水が止まってしまった。旧盆中で、ほとんどの農家が植え付けのピークだったと思う。土がカラカラのまま植えたので生育を心配していた。雨も少なかっただけにひとまずほっとしている。水のありがたさを改めて実感した」と話した。