見返り少ない掛金7割/キビ共済
11年産 受け取り3億8200万円
サトウキビ共済の掛金は、最も安い「第5位」から最も高い「第1位」まで5ランクに区分されるが、県農業共済組合宮古支所によると、管内の2011年産は、見返りの最も少ない「第5位」が7割を占め、今後の課題に災害補償金(共済金)を多く取れる上位ランクの加入率向上が浮上した。11年産キビは大不作となり、1628戸の農家が受け取った共済金は3億8200万円。これがすべて第1位に加入していたとすれば、1・45倍の5億5000万円が農家に入ったと試算する。同支所では第1位加入が有利だとして、現在夏植えをしている農家に、1位加入を呼び掛けている。
10㌃当たりの掛金は第5位が3000円、第1位が5000円程度。第5位が7割を占めた11年産の10㌃当たり共済金は2万8000円で、全対象者が第1位に加入したと仮定した場合が4万円。掛金と支払額の差は第1位が大きく、有利性が明確になった。
今年の夏植から、共済加入農家の肥料購入費やハーベスター使用料などについて、掛金の2割相当額を支援する沖縄型農業共済制度が始まった。支援額は、掛金ランクが上位になればなるほど増える仕組み。今年は同制度が追い風になり、上位加入率が上昇し、加入者も増えているという。
11年産の第1位の加入割合は全体の2割だが今後、5割以上に持って行く計画。10年後のキビ共済加入率は、7割を目標にしている。
キビ共済金は1979年から2011年までの33年の間に、35億6200万円支払われ、掛金の2・3倍に上った。数字上は農家に有利な制度だが、11年産の加入率は42・0%と半数以上が、加入していない。その背景には、比較的高い掛け金の支出を渋る状況もあるという。
沖縄型共済は負担感のある掛金を軽減して加入率を高める目的で創設した制度で、今後の内容周知次第が、加入率向上のカギを握りそうだ。