年1800万円の赤字、売却方針堅持
サシバリンクス伊良部の指定管理で
開会中の宮古島市議会(平良隆議長)9月定例会は18日、提出議案に対する質疑を行った。ゴルフ場「宮古島市サシバリンクス伊良部」の設置及び管理に関する条例についての質問に対し長濱政治副市長らが指定管理者による運営を前提とした条例策定であること、指定管理希望者がいなかった場合には、市直営になることを説明。同ゴルフ場は年間約1800万円もの赤字を計上しているほか、約4億円の借入残金が残っていることなどを示し、引き続き売却方針を堅持する考えを述べた。
現在、同ゴルフ場を運営している市公共施設管理公社は、現行の財団法人を一般公益法人へ移行させるか解散させることを義務付ける公益法人制度改革により、今年度中に解散することを決定。指定管理者による管理運営を可能にするため、今定例会に設置及び管理に関する条例が提案された。
市は07年度に同ゴルフ場の売却方針を決定したが、いまだ売却には至っていない。同ゴルフ場の現状について下地信男伊良部支所長は、年間1800万円の赤字があり、赤字分は市が補てんしていること、安定運営のため条例改正で利用料金を値上げしたい考えを提示。指定管理期間は5年間とし、指定管理後は赤字補てんを行わないこと、12月までに管理者の選定を行いたい方針を示した。
長濱副市長は、指定管理期間中にでも購入希望者が現れた場合には、売却を可能にできる協定を管理者と結ぶことを検討する方針を表明。公共施設管理公社の職員4人は13年4月1日から市職員として採用すること、ゴルフ場指定管理希望者がいなければ市の直営となることを説明した。
同ゴルフ場の借入残金については、安谷屋政秀総務部長が11年度現在、約4億3200万円あり、毎年3591万円2000円を償還していて、28年まで支払う必要があることを述べた。
一括交付金を活用し新築移転する宮古伝統工芸品研究センターの移転先が、上野字野原のトロピカルフルーツパーク内に決定したことについて、複数の議員が「市街地に移転すべきでは」との考えを示たのに対し長濱副市長は「植物園や博物館周辺の市有地を検討したが敷地が狭い。織物組合の理事会でも駐車場も広いことから野原が良いとの話になった」と決定までの経緯を説明した。
きょう19日は市議会常任3委員会が開かれ、付託議案の審議が行われる。