市商業地、3.4%下がる/12年県地価調査結果
19年連続で下落/最高基準地は平良字西里
【那覇支社】県企画部(謝花喜一郎部長)は19日、国土交通省が都道府県地価の状況を発表したのに伴い、2012年県地価調査の結果(7月1日時点)を発表した。宮古島市の地価は昨年に引き続き住宅地、商業地ともに下落に歯止めが掛からず、商業地は昨年の県内11市中の最下落率を脱したものの、昨年の地価よりさらに3・4%下落した。商業地基準地2地点の標準価格平均は1平方㍍当たり7万1100円だった昨年よりさらに値を下げ6万9000円となった。市内商業地の最高額は平良字西里根間246番のサーティーワンアイスクリーム(筑登之屋)で、1平方㍍当たり8万6000円。93年のピーク時1平方㍍当たり28万円を境に19年連続で下落し続けている。
宮古島市の住宅地基準地最高額は平良字西仲宗根染地112番1で、1平方㍍当たり3万200円で前年より1・0%下落した。市内住宅地の基準11地点の平均価格は9391円で、平均変動率は前年を0・72%下回っている。
また、多良間村では基準2地点の平均額で1平方㍍当たり6855円。平均変動率は前年を2・1%下回っており、宮古島市の宅地同様、下落傾向にある。
県内の地価は住宅地で14年連続、商業地で21年連続して下落した。全用途の平均で0・8%下落し、19年連続で下落したが、下落幅はわずかながら縮小した。
下落幅縮小の要因は県内景況が11年3月に発生した東日本大震災の影響による消費、観光関連の景況悪化から次第に脱し、昨年末ごろから入域観光客数増や主要ホテル稼働率が前年を上回るなどの明るい要素が出始め、景気が緩やかに回復基調にあることなどが考えられる。
これらを背景に県内地価は住宅地、商業地いずれも下落幅そのものが前年に比較して、わずかながら縮小し、住宅地では那覇市の一部(3地点)で上昇に転じたところも現れるなど一部地域で持ち直しの動きも見られる。
県全体の住宅地の下落率は0・7%で、下落幅は前年よりも0・5ポイント縮小した。国内景気の低迷に伴う雇用不安等による住宅需要の減退などの不動産市況の低迷は続いているが、利便性、居住環境に優れた一部の地域では前年を横ばいで推移した地域も多く見られた。
また、商業地も下落幅は前年より0・9ポイント縮小した。