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行雲流水
2012年9月19日(水)22:46

「宮古の財政構造」(行雲流水)

 「近いうち」に行われる総選挙では、新党「日本維新の会」が台風の目になりそうだという。〝人気のもと〟は、橋下大阪市長の歯切れのいい語り口にあるようだ。だが、政策綱領ともいうべき維新八策の仕上がりの姿は不透明だ


▼例えば、地方自治強化のため消費税増税分を地方税化し、地方交付税を廃止するという。具体的に宮古島市の財政構造に照らして考えると、都市と地方の格差が広がるだけではないかとの疑問が残る

▼本紙報道によると、宮古における国税徴収額は45億円だ(消費税14億円、源泉所得税12億円、法人税7億円、酒税7億円、申告所得税4億円、その他1億円。2011年度)。一方、宮古島市が国から受け取った地方交付税は141億円だ(2011年度決算書)

▼消費税率が現行5%から10%になると、消費税増税分は14億円。これを地方税として宮古島市が収納する代わりに「地方交付税ゼロ」なら差し引き127億円の歳入減となる勘定だ

▼維新の会の財源移譲案は、経済活動が停滞している地域の切り捨てに通じる可能性大だ。そもそも地方交付税制度は、裕福な地域で徴収した国税を貧乏な地域に再配分して、全国民が等しく行政サービスが受けられるようにするもの。維新の会が主張する「その地方で稼いだものは、本来その地方で使うべきだ」との考えを裏返せば、「稼ぎのない地方は破綻して当然だ」との考えに結びつく

▼一括交付金制度があるうちに、産業振興に知恵をしぼり、自律的発展の道筋をつけておくことが緊要だ。

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