「早掘り」でゾウムシ被害回避/イモ春植
農薬の効果で試験栽培/カンショ研究会
イモの春植(4月植え)は、農薬を適正に使用し、ゾウムシ類の発生がピークに入る9月までに「早掘り」すれば、被害を回避し収量を増やせる可能性が高い-。そんな試験栽培結果が19日、宮古島市カンショ研究会(上地雅己会長)で報告された。
同試験は県内のイモ(カンショ)にゾウムシ類の被害が多く、商品化率の向上が課題になっている中で、新農薬「プリンスベイト」と「オンコルok粒剤」の効果を実証し普及に役立てる目的で実施した。
実証展示圃は、サトウキビ後作区(30㌃=約3反)と、イモ連作区(40㌃)を設置し、収量や被害率などを調査した。農薬は両区に同様な条件で使い、堆肥の施肥量やかん水との関係も調べた。
地下ダムの水が入っている連作圃場のイモは、生育初期から順調に育ち、105~126日以内に収穫を終了した。
連作区40㌃の収量は6828㌔(反収1707㌔)で、ゾウムシ類の被害は8㌔とゼロに近かった。堆肥を10㌃に4㌧入れ、かん水もした所のイモは、大きいサイズの「3L~L」が57・7%を占め、水や堆肥の生育への影響が明らかになった。
後作区の平均反収は約1㌧だった。0・5~0・6㌧が虫の被害を受け、商品にならなかった。収穫までの期間は130~135日と、連作区より10~25日ほど長かった。無かんがいのために育ちが悪く、成長を待っている間に農薬の効果が薄れて虫が付き、被害が拡大したのではと推測している。
県宮古農林水産振興センター農業改良普及課は「イモの栽培には薬剤散布や栽培日数、アサガオなど寄主植物の圃場周辺での有無等がゾウムシ類の被害率に大きく関わっている」と考察した。