「結核は過去の病気ではない」/保健所が街頭キャンペーン
昨年宮古で8人発生
「国内では年間に約2万3000人の新規結核患者が発生し、約2000人が死亡。県内では昨年、269人の患者が出て、24人死亡した。宮古では、8人発生した。結核は、決して過去の病気ではない」。2012年度「結核予防週間(24~30日)」初日の24日、宮古福祉保健所の職員らが市内のスーパーで、そんな発生状況を周知して、結核予防を呼び掛けた。
結核は、人から人にうつる感染症。明治時代から昭和20年代にかけては、「国民病」「亡国病」と恐れられていた。現在は、薬を飲めば完治できる時代になった。
街頭で仲宗根正所長は、予防のポイントに①子どもにBCG予防摂取を受けさせる②大人は年1回胸部検査を受ける③せきが長引いたら診てもらう-の3項目を挙げ、順守を促した。
県結核予防婦人会の島尻清子宮古支部連絡協議会長は「結核制圧のために、複十字シール募金に協力を」と呼び掛けた。
街頭キャンペーンには結核予防婦人会宮古支部や総合保健協会宮古支部会員、保健所、市の職員ら約20人が参加した。
参加者らは「結核予防週間です」などと声を掛け、パンフレットやテッシュを手渡した。
パンフレットによると、日本は結核の「中まん延国」に位置付けられている。宮古では、高齢化に伴って高齢者の患者が増加。まん延していたころ、若くして感染した人に抵抗力が低下し、発病するケースが多いという。
子どものBCG摂取は、生後3~6カ月が望ましいと目安を示す。「抵抗力のない赤ちゃんは、結核に感染すると重症化しやすく、命にかかわることがある」と注意を促している。