多良間、下地島で最大50.4㍍/台風17号
19時間暴風域に
台風17号は28日午後1時ごろから29日午前8時ごろまで、約19時間にわたり多良間を含む宮古島地方を暴風域に巻き込んだ。最大瞬間風速は50・4㍍。多良間空港で28日午後11時20分、下地島空港で29日午前2時22分にそれぞれ観測された。宮古空港では29日午前2時50分に47・3㍍を観測した。サトウキビなど農作物の被害が懸念されている。
沖縄電力によると多良間を含む宮古全域で最大約1万7000世帯が停電。午後7時現在、約8800世帯が復旧していない。
宮古島署などによると、強風にあおられて病院職員の男性(27)=平良=がけがをした。けがの程度についてははっきりしていない。70代の男性が市役所平良庁舎に自主避難した。
非常に強い台風17号は29日午後4時現在、沖永良部島の南約30㌔にあって1時間に30㌔の速さで北東へ進んでいる。
中心気圧は935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は65㍍、最大瞬間風速は65㍍。今後、非常に強い勢力を維持したまま、沖縄本島近海を北東に進む見込み。
宮古島地方気象台によると28日午後11時ごろから同12時ごろの1時間に宮古空港で63㍉の非常に激しい雨を観測した。
降り始めの27日正午から29日午後1時までの総降水量(アメダス速報値)は多い順に▽多良間空港576・5㍉▽宮古空港349・5㍉▽下地島空港264・5㍉▽平良下里259・5㍉▽城辺新城206・5㍉-となっている。
宮古島地方には29日午後6時現在、波浪警報と強風注意報が発令中。気象台では今後とも十分な注意を呼び掛けている。
宮古島地方気象台によると、暴風域を抜けたのは多良間島が29日午前6時ごろ、宮古本島は同8時ごろ。強風域を抜けたのは多良間島が同日午後4時ごろ、宮古本島は同6時ごろだった。
28日正午過ぎに閉鎖された池間、来間の両大橋は29日午前11時過ぎにそれぞれ解除された。
台風は宮古島地方から次第に遠ざかっているが、伊良部島の一部地域では停電に加え、29日から地区ごとに時間を決めて断水を行う「計画断水」が続いており市民生活に大きな影響を与えている。
前里添に住む男性(64)によると、飲料水を求めてスーパーやコンビニに行ったが売り切れ状態という。
多良間村の一部世帯でも水道水の水圧が弱く、蛇口をいっぱいにひねっても水の出が少ないという。