子孫繁栄を願う/来間でヤーマスプナカ
きょう棒踊りとパレード
下地来間島の伝統行事「ヤーマスプナカ」が30日、2日間の日程で始まった。初日は3兄弟の家元で子孫の繁栄を祈願する「サラピャース」と「マスムイ」儀礼が行われた。生後1年未満の子どもの誕生を祝って島民が神酒を回し飲み、子孫繁栄を願った。きょう1日は棒踊りや奉納踊りを披露しながら集落内を練り歩き、向こう1年の五穀豊穣を祈願する。
祭り初日の30日、長男のスムリャーブナカでは午前8時30分ごろからサラピャースが始まった。家主の長間盛史さんらが家元で作った神酒を「ピサギ」に入れ、角が二つ、足が四つ付いた祝い皿(ツヌザラ)に注いで住民に振る舞った。
神酒を回し飲む間は、老若男女を問わず全員で神詩を歌い、子宝に恵まれた1年を祝いながら生まれた子どもの健やかな成長を願った。
この後、マスムイが行われ、ここ1年で生まれた子ども8人が紹介された。父親らがあいさつに立ち、遠く離れても島から温かく見守ってくれる島民に感謝しながら酒を回した。
垣花佑紀さん(22)は4カ月前に娘の海菜ちゃんが誕生。「伝統あるまつりに参加して緊張しているがみんなで祝ってくれるのでうれしい。これからもこうした伝統を大切にしていきたい」と話した。
埼玉県から駆け付けた紺野佳央理さん(27)は母の故郷来間島に娘・優衣ちゃん(4カ月)の誕生を報告。「娘の健やかな成長を島の人たちに祈願してもらって本当にうれしい」と笑顔で話した。
家主の長間さんは「今年は台風の影響で島は停電しているが問題はない。昔は電気もなくてこの行事を行っていた。雨だろうと風が吹こうと、先人たちから受け継いだこの伝統行事は絶対に行わないといけない。2日間盛大に盛り上げていきたい」と述べた。