クイチャー、獅子舞で豊作祈願
うるか自治会
城辺うるか自治会(砂川正則会長)の豊年祭が30日、公民館と砂川神社で行われた。昔から引き継がれている十五夜恒例の伝統行事。住民らが公民館と神社の神様にシーシャアラス(獅子舞)やクイチャーを奉納し、豊作を祈願した。
市の無形文化財「うるかのクイチャー」は、威勢のいいはやしや歌と手拍子の調和、高く跳ぶ躍動感あふれる所作が特徴。公民館前広場では、男女が輪になってクイチャーを踊り「ヒヤサッサ」の声を響かせた。会場には、大勢の住民や郷友らが訪れ、盛り上げた。
公民館から神社には、徒歩で移動した。男性は獅子舞を勇壮に演舞。女性たちは優雅な舞を奉納した。
砂川(うるか)神社には、力持ちの美人姉妹として伝わる「アウガマ、クイガマ」と、昔砂川集落を治めていた「スマヌヌスザラトゥヌ」を祭っている。
上区自治会
城辺の上区自治会(洲鎌和夫会長)の共進会と豊年祭が「十五夜」の30日、同地区公民館で盛大に行われた。農業実績が認められた59人を表彰したほか、獅子舞保存会(喜屋武則吉会長)が獅子舞で五穀豊穣を祈願した。
2頭の獅子は1892(明治25)年に下里村から村分けした際、同村の主が祝いに贈ったとされる。以来、上区(当時下里添村)では旧暦8月15日に獅子舞が奉納され現在に至っている。獅子舞は市指定無形民俗文化財。
保存会のメンバー約20人が公民館隣の下里添神社で、獅子舞を奉納した後、地域の人や来賓らの前で円陣を組みクイチャーを踊った。
かねやほら貝、笛が鳴り響く中、男性2人に誘導された2頭の獅子が荒々しく舞、勇壮さをアピールしていた。
特設舞台では子ども会や婦人会、老人クラブのメンバーが趣向を凝らした踊りを披露し豊年祭を盛り上げ。テントの下では、地域住民らがご馳走を囲んで泡盛を酌み交わすなど大いに盛り上がった。
在沖郷友会の会員も参加。洲鎌会長はあいさつで「ヤームトゥ(本家)の皆さんと楽しいひとときを過ごしてほしい」と話し、年一度の豊年祭を通しての交流の広がりに期待した。