防除へ実証試験開始/キビの害虫イネヨトウ
フェロモンチューブ畑に設置
サトウキビの茎を食い荒らすイネヨトウ被害などを受け、県農業研究センター宮古島支所は12日、平良福山と城辺比嘉で防除実証試験を開始した。雌のフェロモンを発する特殊なチューブを畑に設置。この物質で雄の成虫を引き付け、交尾をかく乱する方法で防除法の確立を目指す。実証試験対象面積は福山20㌶、比嘉20㌶の計40㌶。
今回設置したフェロモンチューブは、イネヨトウ用とカンシャシンクイハマキ用の2種類。設置作業には同センターをはじめ市や製糖工場の職員、福山と比嘉の地域住民も参加した。
作業を前に同センターの新垣則雄支所長は「昨年から今年にかけて沖縄だけでなく鹿児島でもイネヨトウ被害が発生している。今回の防除法は与那国で効果が実証されている。宮古でも防除効果を実証したい」などと述べ、参加者に理解と協力を求めた。
作業は福山班と比嘉班に分かれて行われた。参加者は対象の畑を取り囲むようにチューブを設置。丁寧な作業で地上40~50㌢の高さにフェロモンチューブを取り付けて回った。
同センターは今後、対象の畑周辺に設置されているトラップにかかる成虫の個体数などによって防除効果を確認していく。そのデータを基に、より効果的な防除法の確立を目指す。