健康配慮義務を再確認/沖縄宮古法人会
「心の健康セミナー」開催
会員企業のサポートと地域への社会貢献の一環として、沖縄宮古法人会(真栄城宏会長)は24日、公益社団法人移行記念「心の健康セミナー」を市中央公民館で開いた。会員ら多数が参加。従業員のメンタルヘルス(心の健康)について学び、健康配慮義務(安全配慮義務)の大切さを再確認した。
日本では近年、厳しい経営状況による人員削減、能力主義、希薄な人間関係などによる仕事上のストレスが原因で、うつ病などのメンタルヘルス不調になる従業員が増加。関係者からの労災保険請求や損害賠償訴訟に発展するケースが少なくないとされる。このため、今企業が取り組むべき重要な課題の一つにメンタルヘルス問題が挙げられている。
AIU保険会社沖縄支店(下地隆幸支店長)と共催で開催。支店長の下地さんが講師に招かれ「中小企業のためのメンタルヘルス対策」などについて講義した。
下地さんは、ビデオ「メンタルヘルス、まさかの真実~授業員の心の病~」を上映した。内容は、ある中小企業代表が、部下の男性に新しいプロジェクトを任せた。しかし、男性はプロジェクト作りに日々苦悩。代表は威圧的に仕事を命じ、男性は長時間労働でメンタルヘルス不調に陥った。男性は欠勤するようになり、自ら命を絶った。
男性の関係者らが、会社側を相手に健康配慮義務違反(安全配慮義務違反)で裁判所に提訴した。裁判では、会社側に約1億1000万円の賠償金が命じられた。
下地さんは、今後の対応として「メンタルヘルス問題が発生しないよう、予防対策を講じるのが効率的」などとアドバイスした。
健康配慮義務(安全配慮義務) 会社が労働契約上、従業員を業務に従事させる際に、過度の疲労や心理的負担をかけて従業員の心身の健康を損なうことがないように注意する義務。