宮古上布発展に決意/後継者育成事業が開講
上級・初級製織に4人
2010年度宮古上布後継者育成事業の開講式が29日、宮古伝統工芸品研究センターで行われた。女性4人が、国の重要無形文化財に指定されている宮古上布製作技術習得に向け、決意を新たにした。
育生事業は宮古織物事業協同組合(理事長・長濱政治副市長)が、宮古上布従事者の高齢化に伴う生産反数激減を打開するため、国・県・市の補助金を受けて実施している。
受講生は上級製織課程に親泊郷子さん、初級製織課程に鈴木真紀さん、山崎香織さん、浜川恵美さんの計4人。1年の研修期間で、「製織」、「糸績み」などの伝統技術を習得する。講師は上原則子さん。
開講式で県宮古事務所の大山修総務課長は「宮古上布は、大正時代には1万7000反あったと文献にある。現在の年間生産反数は2ケタとされる。宮古上布を世界に発信するよう、頑張ってください」と激励した。
受講生を代表して山崎さんが「これから1年間、技術をしっかり身に付けるよう、頑張りたい」と意欲を見せた。
講師の上原さんは「20数年前、宮古上布を織るために、宮古織物事業協同組合の門を叩いた。宮古上布は奥が深いので、常に技術を磨くことが大事」と述べた。
この日は09年度同事業の閉講式も行われた。長濱副市長が、上級製織課程の上地幸美さん、山里充代さん、初級製織課程の親泊郷子さん、佐藤信子さんの4人に修了証書を手渡した。
長濱副市長は「今後とも宮古上布の販路拡大を図り、皆さんが自立できるよう一生懸命頑張りたい」と述べた。
修了生を代表して山里充代さんは「初級・上級を2年間にわたって学んだ。これからも気を引き締めて宮古上布を守り発展させたい」と誓った。