マリン社/9億3900万円の債務超過
累積赤字17億円/ホテル家賃未収続く 漲水社との交渉難航
第三セクター宮古島マリンターミナル社(社長・下地敏彦市長)の2009年3月末の財務状況は9億3900万円の債務超過となり、実質的に破たんした。単年度決算は、ホテル棟の家賃が入らず1億9500万円の赤字。
累積赤字は17億800万円に膨らんだ。26日の定時株主総会で、同内容の09年度決算が報告された。
市長、備品買い取り要求拒否
今後は、ホテル棟売却と民事再生の申し立てによる債務圧縮を骨子とした事業再生を図っていく方針。
総会後、下地社長はホテル棟売却について「(ホテルに入居している)漲水リゾート開発社とあと1回最後の交渉を行い、対応を見て来月の取締役会で方向性を決める」と述べた。
漲水社は、退去した場合の什器や備品の買い取りを提示。先月は3億7000万円が提示されたという。
下地社長は「これまでの交渉経過からして3億7000万円は高すぎて理不尽。法的に買い取る義務はない」と指摘した。
交渉は、売却された場合にいったん解雇される従業員を路頭に迷わさないためだとし、備品の評価額の一部は、従業員の手当てに充てるよう名目変更されるのが望ましいとの考えを暗に示した。「善意を分かってもらえなければ、明け渡しの請求はいつでもできる」と強い姿勢を示した。
漲水社とのホテル賃貸契約は07年10月に解除され、以降、家賃は入っていない。このため09年度の総売上は5800万円(ホテル以外のテナント含む)となり、損益は大幅な赤字となった。
漲水社は毎月家賃の半分に近い1000万円を法務局に供託。この金は、ターミナル社が還付請求で入金し家賃の未収金相殺に充てているという。賃貸契約解除後の賃料相当損害額は、6億8000万円に上る。
今後の課題に、伊良部大橋完成後の港湾ターミナル機能をどうするか-などを挙げている。