111団体が訓練実施/地震発生・津波想定
避難経路など確認/防災無線、一部聞きづらく
2012年度県広域地震・津波避難訓練が5日、県下一斉に行われた。宮古島市では111の団体が、それぞれ策定した避難行動マニュアルに基づいて訓練を行い、避難経路や避難場所などを確認した。訓練放送実施後、市防災危機管理係には市民から防災無線が聞きづらかったとの情報が数件寄せられ、今後の改善すべき課題が改めて浮上した。
午後2時に市役所から「訓練実施」と同2時3分に津波警報による避難指示が市防災無線を通して、市内全域にそれぞれ放送され訓練が開始された。
訓練に参加した団体や企業はそれぞれのマニュアルに沿って実施。午後2時30分に避難指示解除で終了した。
同訓練は行政が実施する訓練ではなく、各事業所や団体が災害時に備え自主的に避難行動計画などを策定し、実施することが目的。
訓練では▽大津波警報、避難勧告・指示などの伝達をする避難広報▽市町村または各団体が設定する津波避難場所まで避難する避難行動▽各施設などにおける施設利用者らを誘導する避難誘導▽避難場所設置、運営、応急手当、初期消火なども行う任意実施訓練-などを重点実施した。
市防災危機管理係には、同訓練の説明会を実施した10月24日から今月5日までに、保育園や福祉団体などを中心に、新たに策定した約20の避難行動計画が提出されている。
同係の川満秀海主幹は「行動計画作成に関する質問も増えており、市民や企業の防災に対する意識がこれまでと比べて高まっている」と話した。
訓練終了後には、同係は実施した数の把握を進め、同日午後5時までに団体や企業約件の実施を確認した。6日も引き続き確認作業を進める。
また、郵送などによるアンケートを回収後、同係がまとめて県に報告する。
政府は東日本大震災後の2011年6月に「11月5日」を「津波防災の日」に定めた。