下地さんに沖縄コロニー大賞
難病と闘い 上布の織り手で活躍/離島在住者では初受賞
第17回沖縄コロニー大賞に下地ヒロ子さん(57)=市平良字下里=の受賞が決定した。同大賞実行委員会が7日、発表した。難病と闘いながら、宮古上布の織り手として活躍していることなどが評価された。離島在住者では初めて。下地さんは「私で良いのかとびっくりした。支えてくれた周囲の人たちに感謝の気持ちでいっぱい」と喜びを語った。表彰式は12月9日の「障害者の日」に行われる。
同賞は、社会活動や文化活動などに積極的に参加し自立への努力が他の障害者の模範となる個人や団体に贈られている。
過去には、車椅子シンガーの「ニース」や車椅子バスケットチーム「シーサークラブ」、画家の仲宗根正満さん、作詞家の友寄隆勝さんらが受賞している。
下地さんの受賞理由として同委員会は▽膠原病を患い、それに伴う重度の障害にも関わらず前向きに自立に向け努力している▽膠原病患者の会「四つ葉の会」の会長を務め、会の運営に尽力している▽宮古上布の体験学習の指導をしながら上布の素晴らしさをPRしている▽宮古地区婦人の主張大会で最優秀賞、同中央大会で県知事賞を受賞した-ことを挙げている。
宮古身体障害者連合会の池間太郎会長は「前向きに生きる姿は障害者の励みになる。今の自分に何が出来るのかを問いながら積極的に社会に参加していることがうかがえる」と語った。
同大賞に下地さんを推薦した宮古福祉保健所の池原和子地域保健班長は「難病と向き合い、それをしっかりと受け止めて自分の出来ることにチャレンジしていく姿勢が素晴らしい」と話した。
下地さんは城辺保良出身。1989年、宮古伝統工芸センターで織物の研修に参加したのをきっかけに宮古上布の織り手になった。
96年、第19回県工芸公募展に入賞。08年、県工芸士(宮古上布製織部門)の認定を受けた。
沖縄コロニー大賞 障害者の社会的自立支援の事業に取り組んできた社会法人沖縄コロニーの創立40周年を記念して創設された。自立への努力や社会、文化、芸術等の活動が顕著な障害者や団体に贈られる。賞金は100万円。