米軍人の事件に抗議/市議会臨時会
決議と意見書を採択
沖縄本島で相次いで発生した米軍兵士による女性暴行致傷事件と住居侵入・傷害事件について、宮古島市議会(平良隆議長)は9日の臨時会で、「これ以上、県民の命と暮らし、人権を脅かすことは許されない」などとする抗議決議と、被害者らへの謝罪と加害者の処罰、日米地位協定の抜本的見直しなどを求める意見書を全会一致で採択した。
抗議決議では、米軍人関係者による犯罪件数は復帰以降から2011年までに5747件も発生していて、そのたびに綱紀粛正や再発防止などを徹底するよう米軍に強く抗議してきたにもかかわらず事件は連続し、悪質さを増していると指摘。
反対する県民の声を無視して強行配備されたオスプレイが危険な飛行訓練を行っている中での今回の事件は、「県民の我慢の限界をはるかに超え、米軍基地の全面撤去を求める声も出始めている。これ以上県民の命と暮らし、人権を脅かすことは許されない」と厳重に抗議している。
さらに意見書では▽被害者と家族への謝罪と完全な補償▽加害者の厳正な処罰▽米軍人・軍属などの徹底した綱紀粛正と人権教育のあり方の根本からの見直し▽日米地位協定の抜本的な見直しの実施と、基地の整理、縮小、返還の促進-を速やかに実現するよう要請した。
抗議決議は、駐日米国大使や在日米軍司令官、在日米海軍司令官など、意見書は内閣総理大臣や外務大臣、防衛大臣などに送られる。
女性暴行致傷事件は10月16日、沖縄本島中部で発生し、米海軍兵2人が逮捕された。それを受け在日米軍司令部は同19日、在日米軍人を対象に夜間外出禁止令を発令したが、その2週間後の11月2日、読谷村で酒に酔った嘉手納基地所属の米空軍兵が3階建てアパートに侵入し、男子中学生を殴り全治1週間のけがを負わせた上、テレビを壊す事件が発生した。