口蹄疫の影響拡大
6月の共進会中止/防疫本部、侵入防止で緊急会議
宮崎県で発生した口蹄(こうてい)疫の影響が拡大している。宮古和牛改良組合は10日の理事会で6月期子牛共進会の中止を決定、JAは同月競りで頭数調整を行い出荷牛を制限する。宮古防疫対策本部は口蹄疫の侵入防止に向けて緊急会議を招集。関係機関の代表が情報を共有して連携の強化を確認した。多方面に影響が拡大している口蹄疫問題。関係者は「いつ終息するのか」と危機感を募らせている。
競りは出荷牛を制限
和牛改良組合の理事会は、口蹄疫が終息しない中で子牛共進会を開催することは困難とする見解で一致。侵入防止に細心の注意を払う観点から取り止めることを決定した。
6月競りに向けた頭数調整では、今月競りに上場を予定していた成牛を含む約550頭を優先的に出荷させることを確認した。6月に出荷を予定している牛については原則「2009年8月31日以前に生まれた子牛」に限定して受け付ける方針を決めた。
一方、宮古防疫対策本部(本部長・砂川正幸宮古農林水産振興センター所長)は宮古地域協議会を開催。行政をはじめ、経済団体や観光団体、警察、消防など関係する団体の代表を集めて今後の対応を協議した。
砂川本部長は「口蹄疫は一度発生すると制限が多く、その地域に大きな影響が出る。今も侵入防止に万全を期しているが、あらゆる機関が連携を強化することが大切になる」と話し、宮古で発生すれば畜産業に壊滅的なダメージを与えかねない口蹄疫の侵入防止に全力で取り組むよう理解と協力を求めた。
今後、同センターや家畜保健衛生所、宮古事務所は情報の発信および関係機関との情報共有や防疫対策を推進する。宮古島市や多良間村、JAは競り中止に伴う農家支援に全力を挙げる。そのほかの関係団体も協力して防疫体制を強化。空と海の玄関における消毒などを徹底し、口蹄疫の侵入を防ぐ方針だ。
宮崎県で拡大している口蹄疫は、9日現在で56例目が確認されている。発生頭数は6万頭以上に及ぶ。