売り上げ1億2000万円目標/コーラル社定時株主総会
前期比3000万円増/赤字減へ販売強化策示す
宮古島市などが出資する第3セクター、コーラル・ベジタブル社(砂川佳一会長)の第14期定時株主総会が27日、市役所下地庁舎で開かれた。「アロエ関連商品の開発が不発で、アロエを基軸とした顧客の創造ができなかった」などとして売り上げが前期に比べ1600万円減少したが、人件費を削減するなど経費を圧縮改善したため「減収増益」となった第13期(2011年9月~12年8月)事業報告を全会一致で承認した。新規商品開発など販売強化策で前期比3000万円増の1億2000万円の売り上げを目標に掲げた第14期事業方針も全会一致で承認した。
議案として提案され承認された第13期事業報告によると、同期決算は売り上げが8934万円、純利益はマイナス878万円、累積赤字は1億1618万円、債務超過額は4968万円となり、厳しい経営状況となっている。
同社は減収の理由として①アロエ関連商品の開発が不発②アロエを基軸とした顧客の創造ができなかった③直営ショップの売り上げが減少した④島ラッキョウの取引縮小に代わる販売商品が出せなかった⑤マンゴーの安定確保ができず、主力商品の一つであるマンゴージュースやジャム製造、出荷が十分にできなかった-を挙げた。
一方、経費圧縮については▽人件費の削減▽棚卸し在庫量の低減化▽出張旅費や電力費などの経費節減-などを示した。
これについて出席した株主からは「減収の理由をいろいろ説明しているが、売り上げ増に向け努力しているのか」と厳しい質問があった。
これに対し米田隆己常務は「さまざまな事に取り組んだが、最終的には成果に結び付かなかった」と説明。「繰り越し課題になっている」と述べた。
株主からは「1年たって『またできませんでした』では納得いかない。売り上げに関しては、3カ月に1回など定期的な報告をしてもらいたい」と要望があり、同社も受け入れる考えを示した。
第14期の事業方針については「わが社は、現在さらに厳しい資金繰り状況下にある」と指摘。しかし、売上減少とは対照的に赤字幅は着実に圧縮されているとし、「利益が出る仕組みに近づいている」と説明した。
赤字脱却へ向け、社員一人一人がアロエベラの可能性を信じ、アロエを通して人々の健康に役立つことを理念とすると表明。より新しい商品づくりやサービスの品質を高め、事業利益が得られるよう販売強化策に取り組む方針を示した。
具体的には▽地元農産物シリーズギフトの全国販売展開▽ニーズが高まっている携帯用タイプドリンクの商品開発・販売▽学校給食商品のレパートリーの拡大-などを挙げた。
任期満了に伴う役員の改選については、現取締役の砂川会長、下地敏彦市長、米田常務の再任を全会一致で承認した。
総会の冒頭あいさつした筆頭株主で同社取締役の下地市長は「厳しい状況が続いている。その中でも職員一丸、改革に取り組みその兆しが見えてきた。今は我慢のしどころでみんなで乗り越えていこう」と呼び掛け。多良川会長でコーラル社代表取締役の砂川会長は「社員一丸となってアロエは有効作物という使命感を持ち、なお一層努力していくことが求められている」とあいさつした。