ヤシの実の収穫に初成功/多良間島 上原信行さん
新たな産業振興に期待
多良間島在住の上原信行さん(67)がこのほど、ヤシの実の収穫に初めて成功した。苗の植え付けから5年を経て初の収穫で、来季から本格的な商品化に乗り出すという。20日夜には農園内で収穫祭を開催。下地昌明村長らも駆け付け、上原さんとともに新たな産業の創出および観光振興に期待を寄せた。
上原さんは25年前からヤシの栽培に取り組んでいる。この間、沖縄本島内で収穫してきた実績はあるが、「沖縄本島より平均気温の高い離島」で栽培することを決意し、5年前から多良間島を拠点に栽培を開始した。
多良間島では村有地や字有地の4000平方㍍に約100本を植え付けた。それから昨年10月に花が咲き、今年6月に実を付けた。
20個ほど収穫した実を20日の収穫祭で関係者と味わった。上原さんは「フィリピン産などと比べても味は劣らない」と満足そう。下地村長は「ジュースにして飲むだけではなく果肉を利用して菓子も製造できる。民芸品を作ることも可能だ。長いスパンで増やしていきたい。新たな農産業として成長してもらいたいし、村の観光振興にもつなげたい」と喜びと決意を話した。
来季からジュースをはじめ、ココナッツワインや洋菓子の商品化に取り組むという。上原さんは「ようやく実を付けてくれた。この喜びを多良間村の多くの人と喜びたい。ヤシの栽培は村の新しい産業と観光で生かせると思う」と話し、ヤシ栽培で村経済の発展に取り組む決意を話した。
多良間島には上原さんが農園に植えた100本のほか、一周道路沿いや個人有地などにも計500本が植え付けられており、島の新しい産業としての可能性が注目されている。