久貝氏に環境大臣賞
サシバ保護で功績、表彰伝達
【那覇支社】野生生物保護功労者表彰の伝達式が29日、県庁内であり、元市教育長で宮古野鳥の会顧問の久貝勝盛氏(70)に環境大臣賞が手渡された。38年にわたりサシバの飛来数調査を通して野生生物の保護に貢献したことなどが評価された。久貝氏は「今年は宮古野鳥の会を結成して40周年の節目になる。受賞は私だけでなく、会としていただいたもので大事にしたい」と喜びを話した。
久貝氏は宮古野鳥の会を創設し、2代目会長を11年間務めた。サシバの渡りの時期には飛来数調査に参加し保護活動を展開した。
日本鳥類保護連盟の専門員に20年余従事したほか、県立博物館学芸員や市総合博物館長に在職し、数多くの鳥類の調査報告やアカハラダカの渡り発見など多くの功績を残した。
1996年には、県指定与那覇湾鳥獣保護区の鳥類相を調査し、与那覇湾の保全を訴え。与那覇湾のラムサール条約湿地登録を目指し県に働き掛けた。
2011年に県指定鳥獣保護区から国指定保護区に移管する際には国や県、市との調整に尽力した。
伝達式で下地寛環境生活部長は「長い期間にわたり沖縄県の野鳥保護に尽力され感謝する。今回の大臣賞表彰はその活躍の証である」と祝福した。
表彰は愛鳥週間(5月10~16日)にちなみ、野生生物の保護に顕著な功績のあった個人・団体を表彰している。1950年から行われており、愛鳥思想の普及啓発や自然愛護意識の高揚に貢献している。
表彰式は、5月に新潟県で行われた「第66回全国野鳥保護のつどい」の記念式典の中で行われたが、久貝氏は参加できなかった。
久貝氏は現在、JICA(独立行政法人国際協力機構)シニア海外ボランティアとしてラオス国立大学教育学部で生物指導を行っている。