観光地のイメージアップへ/誘致の成功例など学ぶ
外国人受け入れで研修/県、OCVB主催
外国人観光客受入基礎研修(主催・県、沖縄観光コンベンションビューロー=OCVB)が29日、市中央公民館で行われた。旅行関係者約50人が参加。相手の立場に立ったサービスの提供や、宮古島の特徴に合わせた戦略的な対応体制を整えるなど誘致の成功例などを学んだ。「Welcome to Okinawa(ようこそ沖縄へ)」などの英語と中国語の基礎会話も実際に発音して習得に努めた。
県内を訪れる観光客数は年間約600万人で、うち30万人(5%)が外国人観光客とみられている。
県は、入域観光客数1000万人(うち、外国人観光客数100万人)を目標に掲げている。
研修会はこういった目標を達成するため、沖縄のイメージアップと知名度の向上を図ることを目的に開催。外国人観光客に対しての接し方や誘客、受け入れなどを学び、世界中から多くの観光客が訪れる沖縄を目指す。
中国や台湾、アメリカから訪れる観光客を中心に、城間宇恵さん(中国語担当)、名幸真樹さん(英語担当)が講師となり研修を進めた。
城間さんは、ホテルや観光施設、土産品店などでの接遇は、沖縄や宮古島の第一印象を決める大きな要因になるとして▽笑顔のあいさつ▽国際人的な視野を身に付ける▽差別をしない-などを示し行動を促した。
また、言語や宗教、習慣や風習など国民性の違いをきちんと認識し対応することも大切なポイントだと指摘。中国人観光客の特徴を示して「そのまま放置すると他の観光客に影響が出る。張り紙での注意やイラストで分かりやすく説明するなど対策が必要。それが観光地の存続につながる」と話した。
外国人観光客の誘致の成功例として▽日本的(沖縄、宮古島的)なものの体験や演出▽食事に対する細やかな対応▽名前を覚えてコミュニケーションを図る-などを紹介した。
「そこに住んでいる人の日常は、海外の人にとっては非日常となる」と城間さん。外国人観光客が何を求めてやってくるのかをしっかり把握することが大切だと強調した。
ホテルのロビーなどに「熱烈歓迎」の看板を設置するだけでも喜ばれると言い「ホテルの部屋番号も、中国で縁起が良い数字にすれば仲間同士で盛り上がる」と話した。
同研修は2010年度から始めており、今回で3回目。ホテル従業員や観光施設で働く人、市職員などが参加した。