「野菜ランドみやこ」完成/みやこ福祉会 関係者集い祝う
障害者15人を一般雇用/夏場にホウレンソウなど栽培
みやこ福祉会(伊志嶺博司理事長)が運営する就労継続支援A型事業所「野菜ランドみやこ」が市内西仲宗根(市営上原団地向かい)で完成し18日、大勢の関係者が祝った。水耕栽培の鉄骨ハウスは、2700平方㍍と大規模。
障害者15人が一般雇用で働く。ホウレンソウなど葉菜類を周年栽培し、年間売上は4000万円を目指す。初出荷は22日を予定している。
就労継続支援A型は、対人関係や健康管理などの理由により、一般企業に就労できないでいる障害者の雇用促進などが目的。賃金は法律で定める最低賃金を順守する。
落成式で伊志嶺理事長は「施設の完成は、障害者に理解ある地域の皆様や、親を含め福祉関係者のおかげと感謝する。今後とも障害者の働く場の確保や個々が自分らしく当たり前に暮らしていける地域づくりに努めていきたい」とあいさつした。
奥村啓子県保健福祉部長や下地敏彦市長、比嘉章宮古公共職業安定所長らが祝辞を述べ、野菜ランドが働ける喜びを実感できる場になることや、障害者雇用の一層の拡充、みやこ福祉会の発展を祈念した。
親の会の本永安子会長は「夢のようなりっぱな施設の完成を、親として感謝している」と述べた。祝賀会も盛大に行われた。
ホウレンソウの亜熱帯における夏場栽培は不可能とされてきたが、冷たい養液を循環させる特殊な技術(ナッパーランドシステム)で可能にした。
野菜は市内のスーパーなどに販売する。同システムでは、チンゲンサイやミズナなど約60種類の栽培技術が確立されており、店のニーズに柔軟に対応できるという。
みやこ福祉会は、ジョブコーチを配置し、就労支援をしてきた。開設から5年間で一般就労に送り出したのは29人。しかし、働く能力はあっても、就労できない障害者が多いことから、野菜工場「野菜ランドみやこ」の建設に踏み切った。
建設費は約2億円。管理棟は鉄筋コンクリート平屋で、430平方㍍、鉄骨ハウスが2700平方㍍。