今月の審問で調停成立へ/市議会質疑
海中公園工事 水質汚濁原因裁定申請
開会中の宮古島市議会(平良隆議長)12月定例会は10日、本会議を開き、市当局提案の29議案について質疑を行った。市内のエコツアー会社が国に対し行った、市の海中公園工事と周辺海域の水質汚濁やサンゴ礁死滅との因果関係について法的判断を求める原因裁定申請について、長濱政治副市長は今月開催予定の審問の中で調停を成立させたい考えを示した。
海中公園工事による水質汚濁被害原因裁定申請は、市が狩俣地区の海に建設した海中公園工事の影響で、周辺海域のサンゴ礁が死滅していると主張するエコツアー会社の代表社員が2011年2月、総務省に提出した。それを受理した同省の公害等調整委員会は同年4月に現地調査を実施。双方から意見を聞く審問は12年5月と11月に行われ、その後、数回の調整を経て、同委員会から職権による調停条項案が提示された。
調停条項案の内容は、▽今後行う公共工事で海洋水質汚濁の防止とサンゴ礁などの自然環境保全のため、波浪や時化による汚濁防止幕の破損や防止幕設置区域外への濁水の流出、拡散が発生しないよう、工事の計画と施行に最善をつくす▽海中公園施設周辺その他のサンゴが死滅、破損した海域または移植できなかった海域で、長期継続した事業として効果的なサンゴの移植、移設、再生などを積極的に行う▽同海域でサンゴ礁保全や環境保全のための取り組みを積極的に推進するため必要な予算を確保する-ことなどを約束するものとなっている。
同申請について上里樹氏がこれまでの経緯を質問したのに対し長濱副市長は、現地調査と2回の審問が行われたことを説明。今月17日に開かれる3回目の審問で調停を成立させたい考えであることを示し、「委員会の職権による調停として案が示され、それを申請者側と市で、この案で調停したいと歩み寄ったもの。調停することに議決をもらいたい」と理解を求めた。
市民連携型太陽光発電整備事業の太陽光発設置工事請負契約を1億9950万円で行うことに議決を求める議案に関連し、古堅宗和企画政策部長は来間島で実施される同事業の内容について、太陽光パネル設置に協力する家庭には設置場所を借りる賃料が支払われるが、電気料金はこれまで通り各家庭が使用料分を電力会社に支払い、発電された電気はすべて電力会社に買電されることを説明した。真栄城徳彦氏に対する答弁。
全期前納報奨金制度を廃止する市税条例一部改正について亀浜玲子氏らが質問したのに対し、安谷屋政秀総務部長が提案理由として、給与天引者には制度が適応されず不公平感があること、県内では宮古島市と宜野座村でしか実施していないことをなどを挙げた。