下地ヒロ子さんに贈呈/沖縄コロニー大賞
離島在住者では初の受賞
【那覇支社】障害者の社会的自立支援事業に取り組む社会福祉法人沖縄コロニーの創立40周年を記念して創設された「沖縄コロニー大賞」(主催・同実行委員会)に下地ヒロ子さん(57)=市平良字下里=が選ばれ9日、那覇市のホテルで、大賞贈呈式と記念祝賀会が催された。同賞は障害者の自立への努力や社会、文化、芸術等の活動が顕著な人にスポットを当て顕彰するもの。同賞の贈呈は1996年から始まり、今回で17回目を数えるが、離島在住者では下地さんの受賞が初めてとなった。
下地さんの受賞理由は膠原病という難病をを患い、重症筋無力症の合併症を抱えながらも、夢をあきらめず、国指定重要無形文化財「宮古上布」の織り手として伝統工芸の発展普及に尽力し、多くの人に感動と勇気を与えたひたすらな生き方や積極的な社会活動と功績が高く評価された。現在も織り手、体験指導者として宮古織物事業協同組合に所属し活躍している。
大賞贈呈式典で主催者あいさつした同賞実行委員会の高嶺豊委員長は「自分の障害をバネに何事にもチャレンジし立派な業績を残したことは賞賛に値する」と下地さんをたたえた。
大賞を贈られた下地さんは「仕事場での知らせに同僚抱き合いバンザイをして喜んだ。宮古上布と出会い、私は必要とされているのだと言い聞かせ生きてきた。その証しとしての受賞に感激している。いつも励まし勇気を与えてくれた周りの方々に感謝したい」と受賞の喜びを述べた。
式典を見守った夫、幸吉さんは「妻が選ばれたのも兄弟、親戚、友人たちみんなが支えてくれたおかげ。この賞に恥じないように今後も夫婦で頑張りたい」と話していた。
記念祝賀会には下地さんの家族や職場の仲間、宮古福祉保健所の仲宗根正所長ら関係者が大勢駆け付け、下地さんの受賞を祝福した。