行雲流水
2012年12月14日(金)23:31
「選挙」(行雲流水)
12月16日は総選挙だ。沖縄県から4人の代議士を選ぶことになるが、今回の選挙はかつてない数の政党がそれぞれの候補者を擁立している。メディアが伝える県内候補者の所属政党は自民、民主、社民、共産、国民新、維新、未来、幸福実現党の8政党に加え無所属の九つだ
▼離合集散、分裂合流の果てが今の状況だと言わざるを得ない。官僚を排斥して政治主導を唱え政権の座に就いた政党に対する国民の期待がものの見事に外れた結果でもあるのではないか
▼経済学者のヨーゼフ・シュンペーターは民主主義が機能するための条件の一つとして政治家に「資質の高さ」を求めている。ところが人間の資質をはかる客観的物差しなどあるはずがない
▼凡庸な私は候補者たちの言葉をそのまま受け入れてしまいかねない。いずれの政党所属の候補者も無所属候補者も今世間の話題になっていることを有権者の気を引くように言葉を巧みにこなす
▼候補者たちにとっては政治闘争を勝ち抜き、主導権を掌中にするためには当然のこととはいえ、私たちにとっては貴重な権利である1票をどの候補者、どの政党に使うか選択を迫られている。自らの支配者を選ばなければならない責務だ
▼候補者の資質を問うのではなく、主権者としての主体性をもって候補者を選ばなければならないと思う。消費税、TPP、憲法改正、領土問題、官僚と政治家、他にもまだあるだろうが、それらの問題を理想ではなく現実の問題として真剣に取り組んでくれる政党や候補者に唯一無二の1票を投じたいものだ。