農作物の盗難被害防げ/宮古島署
農業機関と初の合同会議
宮古島署(宮城英眞署長)は14日、農産物などの盗難被害が相次いでいることから、農業関係機関と合同会議を開催した。農作物や農機具は盗難被害に遭っても、盗難品の特定が困難なことから、被害者があきらめて、届け出ないことが多い。このような顕在化しない被害の情報把握と、被害の未然防止などについて話し合った。農業関係機関と宮古島署が農作物などの盗難被害防止のため会議を開き、情報交換をするのは今回が初めて。
農業関係の被害は12月12現在届け出があったのは9件。このうち農機具被害が5件、ヤギなど家畜が2件、農作物が2件だった。
被害届がなく顕在化していない盗難に関し、宮古島署生活安全課の砂川久義課長は「駐在所は毎月、ミニ広報紙を発行している。駐在所員が把握した被害の状況などが書かれている。集会などで活用して情報を共有し、地域の農家の注意喚起に役立ててほしい」と促した。
会議にはJAおきなわ、市農政課、県農業改良普及課、宮古土地改良区、就農青年パトロール隊のメンバーらが出席した。農業関係者は「パトロールを実施するようになってから被害がなくなった」など、自らの活動で地域の安全を確保している例を報告し、パトロールが有効な防犯手段であることを話した。
宮古署管内各地区の被害状況を把握するため、本島8カ所の駐在所員が出席し、現状などを報告した。
各駐在所員からは担当する地域で、届け出はないものの被害を受けた農家があると報告があった。被害品は飼料や肥料などが多く、ほとんどが畑や家の周辺に置いたままの状態で盗難被害に遭っている。また、牛舎の倉庫から噴霧器や草刈り機などが盗まれている。1件を除き無施錠の倉庫からの盗難だったことから、施錠をするなど保管、管理の徹底を農家に呼び掛けることを確認した。
収穫直前のバナナやナスなどの農作物も被害に遭っており、参加した農業関係者からは「農作物の盗難は農家にとっては死活問題」と切実な声も上がった。
また、サトウキビ畑に設置されたスプリンクラーのヘッドや容量が200㍑のステンレス製水タンクなどの盗難や、軽貨物自動車の荷台から草刈り機が盗まれたなどの報告があった
いずれも夜間の被害が多いことから人が近づくと点灯するセンサーライトを倉庫に設置することなども提案された。
夜間の犯行に備えて昼間に下見をしていることが十分に考えられることから、車や徒歩で畑や倉庫の周辺を行ったり来たりしている不審者に注意することも確認した。