消毒作業を実働演習/口蹄疫防疫 水際対策を徹底/県内初
平良港に消毒ヤード
宮崎県で発生している口蹄(こうてい)疫問題で、宮古地区への徹底した侵入防止を目的とした県内初の消毒ヤードが完平良港に成し、竣工(しゅんこう)式が 16日、関係者ら多数が出席して平良港第3埠(ふ)頭コンテナヤードで行われた。実働演習では白い防護服を着た家畜防疫員が大型車両の噴霧消毒をした。同ヤードは県やJA、宮古島市、多良間村が口蹄疫侵入を水際で防止するために設置した。消毒ヤードの設置は県内で初めて。同ヤードでの消毒は県外からの家畜関係車両が対象で、競り市開催時に実施される。
上陸した関係車両は消毒マットでタイヤ接地面の消毒と4%の炭酸ソーダ液を噴霧後、消毒ヤードに移動する。同ヤードで水洗した後消毒薬・ビルコンSを噴霧し再び水洗する。消毒が完了した車両には「車両消毒済証」が運転者に発行される。
完成した消毒ヤードは長さ15㍍、幅10㍍で噴霧した消毒液で海洋汚染を引き起こさぬように1000㍑の排水タンクを地下に埋設している。総事業費は195万円で県が50%、残りをJA、市、村で負担する。
主催者を代表して宮古地域口蹄疫防疫現地対策本部の砂川正幸本部長は「宮古地区でも競り市の開催が中止されるなど肉用牛という産業の存在が危ぶまれるほど危機的状況にある。JA、市、村や関係機関が危機感を持ち万全な対策を取っている。宮古の肉用子牛は安全・安心であると全国に宣言し、一日も早い競り市の開催を願っている」とあいさつした。
下地敏彦市長は「宮古に1頭でも感染牛が出たら畜産は全滅するという危機感を持ち、市も全面的に協力するので絶対に入れない決意で農家の皆さんと力を合わせて頑張ろう」と決意を述べ生産者を激励した。
また生産者を代表して平良一夫さんが「宮古の肉用牛という30億円の財産を守らなければならない。口蹄疫侵入防止に取り組み競り市が再会されることを祈念する」と述べた。