8業者の出荷量12・3㌧/養殖海ブドウ11年実績
前年比で1㌧の減
宮古地区の8業者が2011年に養殖した海ブドウ(和名・クビレズタ)の出荷量は12・3㌧となった。前年と比べ、約1㌧の減。県宮古農林水産振興センター農林水産整備課漁港水産班が、このほどまとめた。高野海ぶどう生産組合の長崎輝義会長によると、キロ当たりの卸値は、3500円程度。これを元に試算すると、販売額は約4300万円になる。
長崎会長は、減産の要因に9~11月にかけた生育不良を挙げる。秋口からの収量減は、3年前から見られる現象。長崎会長は対策はつかめつつあるとし、来年以降の回復に期待する。
長崎会長の販売先は、本土が7割を占める。居酒屋が10カ所、築地の仲買業者にも出している。10年に5割だった本土出荷は、11年は7割と増える傾向。取引先に品切れの迷惑を掛けないようにと、収穫が少ない時は同業者に融通してもらうなど、協力し合っている。観光で訪れた際に、買ったリピーター客も1割と多い。
長崎会長の現在の経営規模は、130平方㍍の3ハウス。現在の規模では、注文を充たしきれない状況が予想されるため、2ハウスを増設する経営目標を示す。
海ブドウの別名は、「グリーンキャビア」。ネットでは「100㌘1980円」「1㌔9980円」と価格表示されるなど、高級食材として流通している。
養殖技術は宮古で開発され、その後沖縄本島に渡った。04年に「里帰り」し宮古で養殖が始まった。長崎会長が栽培している品種は宮古産で、粒が大きくて粒ぞろいもいい。「今後、一層品質を向上させブランド化を目指したい」と意気込みを見せる。