三つどもえの可能性/多良間村長選挙
兼濱陣営で擁立の動き
【多良間】来年6月に予定されている任期満了に伴う多良間村長選挙は、過去3回下地昌明村長と戦った兼濱朝徳陣営で擁立の動きが出ている。同選挙ではすでに現職の下地氏(61)と、新人で前副村長の伊良皆光夫氏(57)の両氏が出馬の意向を表明。今回、これに兼濱陣営が加わり、三つどもえの可能性が出てきた。
兼濱陣営では今月上旬に、兼濱氏を支持する若者4、5人が話し合いを持ち、同陣営から擁立する方針を確認したという。同陣営の幹部は「立候補予定者は、兼濱氏とは限らない。政治、行政手腕の高い若者が2、3人いる。人選作業を進め、できるだけ早い時期に立候補予定者を決めたい」と話した。
下地村長は、今年の村議会10月定例会で過去の実績として国営地下ダム事業が実現に向けて順調に進んでいることや1次産業が伸びてきたことを強調。その上で、今後について「観光産業など、取り組む余地はいろいろある」と述べ、続投へ意欲を明確にした。
下地村長はその後、10月30日に、伊良皆副村長(当時)を解任。伊良皆氏はこれを受けて「『次の選挙に出てくれ』いう有権者の要望を拒む理由はない」と、対決姿勢を鮮明にした。
多良間村長選挙は元村長安里茂男(故人)・下地現村長のラインと、元村長仲宗根玄常氏・同兼濱朝徳氏の流れがぶつかる戦いが1986年以来続いてきた。今回、伊良皆氏が立候補することで従来の対決構図が崩れ、支持勢力図も大きく変わるとみられている。
現在村内では、表立った選挙活動は見られない。選挙活動者らは、本格的な動きはサトウキビ収穫終了後になると予想している。