社長に下地市長選任/コーラル社臨時総会
職員の販売努力促す
アロエベラ製品などを製造販売している第3セクター、コーラル・ベジタブル社は、砂川佳一代表取締役会長の退任を受けて25日、市下地庁舎で臨時取締役と臨時株主総会を開き、後任の代表取締役社長に下地敏彦市長を選任した。砂川代表取締役会長は、任期満了と体調不良を理由に代表職を退き取締役会長に就任した。米田隆己常務は、再任された。
社員も参加した総会の席で、下地社長はコーラル社の経営内容について「人件費や水道光熱費、その他もろもろの費用が1カ月に600万円発生しているのに、収入は350万円しかなく残りが赤字になっている」と指摘。社員に対し「会社を存続させるためには、職員全員の販売努力しかない。自分は販売担当ではないからという考えは、通用しない。親せきや友人、あらゆる場所で製品を宣伝し、1個でも2個でも多く売り込んでほしい」と奮起を促した。
会社の経営再建に向けては、必要資金などを含めて、関係機関と相談しているとし、「近いうちにいい(再建案の)話をしたい」と今後の大まかな段取りを示した。
砂川会長は、コーラル社は、下地市長をリーダーに新たなスタートを切ったと強調した。「再建すれば、アロエベラを国内に発信できる企業、世界に誇れる中小企業になる。宮古にとって産業振興に不可欠な施設であり、若者の雇用の場にもなる」と存在意義を述べた。
経営悪化の要因については、2300万円の不良債権があったことや、製缶機の購入に伴い、5000万円の借金ができたことを挙げ、その支払いや赤字などのために資金繰りが悪化し整理倒産状態に陥ったと説明した。