平良庁舎スロープの改善を/障害者ら
施設の問題点確認/バリアフリー構想向け「まち歩き」
宮古島市バリアフリー基本構想の策定に向け、宮古島の実態を確認するための「まち歩き」が26日、宮古空港と平良港、マティダ市民劇場、市役所平良庁舎で行われた。障害者ら事前に応募のあった市民20人と同構想策定協議会委員らが参加し、問題点や課題などを確認。平良庁舎のスロープは「傾斜が急過ぎる」として早急な改善を求める意見などが挙げられた。
「まち歩き」には車いすの利用者や視覚、聴覚障害者らが参加。午前中は宮古空港でチェックインカウンターや手荷物検査場、搭乗口など実際に搭乗時に通るルートを歩いたほか、障害者への配慮がどれだけなされているかなどを確認した。
午後からは平良港、マティダ市民劇場、市役所平良庁舎で各施設のバリアフリーの状況、バリアとなっている部分、改善すべき課題などについて、スロープやエレベーター、トイレなどを実際使ってみることでチェックを行った。
「まち歩き」終了後、市役所平良庁舎で参加者による意見交換が行われた。市バリアフリー基本構想策定協議会の高嶺豊会長は平良港の伊良部島行きフェリー乗り場の浮き桟橋と陸を結ぶスロープと、市役所平良庁舎正面玄関へ入るスロープの傾斜が急過ぎると指摘。平良庁舎のスロープは「車いすでは自力で上ることができなかった。転倒などをしてけがをする人が出てくる恐れがあるので早急な改善が必要」と訴えた。
同協議会の長位鎌二良委員は「見た目はバリアフリーの形になっていても現実的にはそうなっていないところがある。何か作るときには計画作成時から障害当事者の意見を取り入れてほしい」との考えを示した。
親川修委員は「空港などに文字情報、見える情報はあっても音声誘導がないため、視覚障害の人は困る。情報ストレスを与えないことが大切なので、見える情報を聞こえる情報に、聞こえる情報を見える情報にしてほしい」と提案した。
そのほか、参加者からは「平良庁舎の出入り口とエレベーター前に点字ブロックを設置してほしい」や「空港に手話通訳がいなくて不便」、「障がい福祉課がある平良庁舎4階に障害者用トイレを設置してほしい」などの要望が上げられた。
「まち歩き」は4施設のほか市役所平良庁舎周辺など、事務局が提案する重点整備地区も歩く予定だったが、雨天のため後日に延期となった。