くし型浮き桟橋完成/佐良浜漁港
1月に供用開始 漁船専用で2カ所目
宮古農林水産振興センター(與那嶺宏明所長)が伊良部離島振興総合センター前の佐良浜漁港で整備を進めていた「くし型浮き桟橋」5基が27日までに完成した。年明け1月の検査終了後に本格的に供用を開始する。総合事業費は1億6000万円で、同漁港内での設置は2カ所目となる。
浮き桟橋は、岸壁を背にして設置する。並列の形が髪をとかす「くし」に似ていることから、くし型浮き桟橋と呼ぶ。1基の両側に1隻ずつ係留することができる。
5基のうち2基は、いずれも全長約16㍍、幅1・5㍍で、5~10㌧級の漁船4隻が係留できる。残り3基は全長約13㍍で幅1・5㍍。小型漁船6隻が使用する。浮き桟橋は、発砲スチロールをウレタン樹脂でコーティングし、表面は人工木材で仕上げたもの。
くし型浮き桟橋のメリットは▽強風時における漁船の安全な係留▽潮位に関係なく乗船・下船が容易▽作業の効率化・迅速化-など。
既設のくし型浮き桟橋は11基で、小型漁船22隻が利用している。総事業費は2億7900万円で国が9割、県が1割負担した。今回完成した浮き桟橋の負担割合も同じ。
漁港内2カ所で設置する浮き桟橋は計16基で、総事業費は4億3900万円。
新たに完成した浮き桟橋が供用開始された場合、これまで漁船の船尾と岸壁に架けていた梯子は不要となり、梯子製作費の支出は無くなる。
伊良部漁協の友利義文組合長は「くし型浮き桟橋は漁業振興に大きく寄与する。漁船の安全な乗船・下船が確保される」と説明した。