カルシウムアイランド、潤いのある島に/宮古島環境クラブ(MEC)
2009年に発足した宮古島環境クラブ(下地邦輝会長)。地下水に頼る宮古島で、本土復帰を境に農地や都市計画の進んだ40年前から自然環境は大きく変わり、豊かに存在した水辺も次第に埋め立てられていった。同クラブはこれまで、おきなわ環境クラブ(OEC)宮古支部として活動してきたが、「沖縄県うまんちゅ協働の花と緑の美しい島づくり事業」の助成を受け、宮古独自の環境保護団体としてスタートした。
宮古島から自然と環境の保全をめざして実践活動と情報を発信するNPO(任意団体)。主に宮古島内をフィールドに、水辺の自然と環境の保護・回復の実践、環境教育プログラムやエコツアーの提供、エコツアーガイドや指導者を養成する人材育成など、地域や学校・企業・行政機関と共に活動を展開することを目指す。
これまで、添道サガリバナ遊水地(遊歩道)での夜の花見案内や、ヤーバルやすらぎの森公園(しもじ長生園裏)でのサガリバナ保育管理と育て方教室、ゴバンノアシやサキシマスオウノキ、ヒルギダマシの確認など、市民にも呼びかけ幅広く活動してきた。
添道遊水地周辺は、OEC宮古支部のころから、宮古島市むらづくり課と連携し雑木・雑草の除去と施肥などで生育管理を続け、遊歩道で花見ができるまでにした。活動では、130本のサガリバナに約40人の管理者を決め、2カ月に1回の手入れを行ってきた。サガリバナ並木は水田後に元々あったサガリバナ壮齢木の種子や実生の苗木を用いて2002年3月から旧平良市の「むらづくり課」と「みどり推進課」によって植えられたもの。
また、ヤーバルやすらぎの森公園は2005年旧下地町が公園の中央に防火貯水池として造った池を取り囲むようにして、10年、サガリバナ約120本が植えられ、それぞれに管理者が決められた。
■水辺環境の保全
●水辺の緑化=サガリバナやサキシマスオウノキなど、水辺植物の植樹・緑化活動
●マングローブ希少種や水辺の動植物の保全と回復=宮古の島々で消滅しそうなマングローブ希少種などの調査、再生・回復活動
●地下水保全活動
■水辺の環境教育プログラ ムの提供
●水辺の環境に関する観 察会、セミナー、講習 会などの開催=生き物 やパックテストなどに よる湧水や海水などの 水質判定。漂着ごみの 測定調査、環境情報の 提供。
■人材育成
●地域の環境教育を担う エコツアーガイドや指 導者の育成
●地域人材の掘り起こし
■環境教育情報・教材の提供
●水辺の環境に関するガ イドブックやパンフ レット、DVDの作 成・提供
●環境教育に関する教 材・プログラムの開発と情報の収集・発信
■川満「緑の朝市」
川満自治会(砂川肇会長)と共催で、地域の人たちと島の環境のことや地下水の大切さ、ごみの問題、暮らしのことを一緒に考えようと2010年から川満漁港前広場で開催した「緑の朝市」。昨年11月で9回目を迎えた。
フリーマーケットとミニワークショップを兼ねた朝市は、サガリバナの鉢植え教室やマングローブ観察、野菜の販売、アロエベラ教室、水の味ためし、など。子どもたちのためには、竹馬体験やどんぐりのおもちゃ作りなども用意して、親子連れの参加も呼びかけている。