解体工事が本格化へ/伊良部離島総合センター
35年の役割に幕
市(下地敏彦市長)はこのほど、佐良浜漁港に隣接する市伊良部離島振興総合センターの解体工事に着手した。現在は内部の建設資材を撤去しており、今月中旬から鉄筋コンクリート造り5階建ての本体解体工事が本格化する。住民に親しまれた施設は築35年で幕を閉じる。
同センターは1978(昭和53)年に完成した。延べ床面積1710平方㍍。5階に整備された大ホールでは、結婚式や古希祝いなどが催され、大勢の住民でにぎわっていた。エレベーターはなく、徒歩で上り下りした。
今年で築35年経つことから、老朽化が著しく、時折外壁コンクリートが剥落。通行人の安全が心配されていた。
解体工事の工期は2012年10月29日~13年3月8日まで。解体費約4650万円。資源の有効な利用や廃棄物の適正な処理を実施するため、鉄くずなどはバージ(台船)で宮古本島へ運ばれる。
同センターは、県内離島では初めて整備された。総事業費4億円余が投じられ、3年計画で完成した。
旧伊良部町・宮古島市の元職員で佐良浜に住む中村雅弘さん(62)は「佐良浜住民にとっては素晴らしい建物で有効活用した。本体の解体工事が始まった時には、佐良浜漁港から最後の別れを見守りたい」と話した。
今月3日には、関係者が集まり、「離島振興総合センターを偲ぶ・お別れ会」が開かれた。