機械刈り収穫が50%/サトウキビ
農家高齢化で加速/工場は原料不足懸念
2012-13年産サトウキビの機械刈り(昨年12月6日時点)申込件数が宮古島市の全体収穫面積の50%に達し、初めて手刈りを上回る見通しだ。農家の高齢化に伴う労働力の低下が背景にあり、機械化は一層進むものとみられる。一方で製糖工場は雨天時の原料不足と操業期間の長期化を懸念。ハーベスターが稼働できない雨天時の原料確保が課題として浮上している。
JAさとうきび対策室のまとめによると、今期の機械刈り申込件数は2317件(前期比69件増)。収穫面積は2195㌶(同比308㌶増)で、現段階で全体収穫面積4407㌶のほぼ半分に達している。
地区別の申込状況をみると▽平良714件621㌶▽城辺698件643㌶▽城辺・長間三区95件105㌶▽上野357件335㌶▽下地391件430㌶▽伊良部62件60㌶-。
それぞれ機械刈り比率は50%に達し、中でも下地は80%、上野は73%と高い申込状況となっている。
伊良部の申し込みは未確定で、今後さらに増えることは確実。これに伴い市全体の機械刈り比率は55%前後に達する見通しだ。
各地で収穫の機械化が進む中、懸念されるのが製糖工場内の原料不足と操業の長期化が挙げられる。
雨天が続くとハーベスターが稼働できず、製糖工場内で処理する原料が足りなくなる。今は工場の処理速度を落とすなどして対応しているが、今後の天候次第では工場の一時停止も余儀なくされる。
工場が停止すれば操業期間が延び、その延長期間によっては早熟品種が主流のサトウキビの品質劣化を招き、結果として農家所得の減額につながる。
今期の操業について、沖縄製糖宮古工場は「原料の搬入量が減って製糖期が延びていくということは避けたいが、天候はどうしようもない」とした。宮古製糖城辺工場は「(原料の品質確保のために)遅くとも3月中には終わらせたい」としているが、両工場とも天候に頼らざるを得ない現状を懸念している。