「カムィヤキ」完全形出土/友利元島遺跡
副葬品の可能性/グスク・無土器時代の人骨発見か
市教育委員会が発掘調査を進めてきた友利元島遺跡で11日、グスク時代(13世紀終わりごろから16世紀)の代表的な遺物である「カムィヤキ」が完全な形で出土した。12日には、カムィヤキのすぐ側で人骨が発見された。このことから同委員会はカムィヤキは死者とともに埋葬される副葬品の可能性が高く、人骨は14世紀前後のグスク時代のものではないかと推定している。同委員会では人骨や遺物の年代を特定し、当時の様子が詳しく解明できればと話してい
る。人骨がグスク時代のものであれば初めて。
友利元島遺跡は、インギャー海岸のすぐ側で、同委員会が昨年11月から発掘調査を進めていた。
人骨は、胸で両手を組んだ格好で出土した。グスク時代と見られる人骨は、これまでにも発見されているが、土ではなく砂地の中から見つかったのは初めてという。
カムィヤキは、鹿児島県の奄美群島徳之島で11世紀から14世紀にかけて作られていた陶器の名称。完全な形で発見されたのは初めて。
また、同遺跡からは、今から約2009年~1900年前の無土器時代と見られる人骨も見つかった。人骨のあった土と周囲の土の色が違うことから、この人骨も埋葬されたものと見られている。
同遺跡では人骨のほか、無土器時代のシャコガイ製の貝斧11点が発見されている。
同様な貝斧は、北海岸にある城辺浦底遺跡などで見つかっているが、南海岸で見つかったのは初めて。
発掘作業に携わっている市教育委員会生涯学習振興課文化財係の久貝弥嗣さんは「当時の人たちが、宮古島の広範囲に分散して住んでいた可能性がある。また、同じ遺跡から年代が違うと見られる人骨や遺物が発掘されたのは極めて珍しい」と話している。