鶏80羽噛み殺される/上野野原
現場周辺に犬の足跡
13日午前9時ごろ、上野字野原(豊原)の養鶏場で採卵用の鶏約80羽が死んでいるのを飼い主の男性が見付けた。約100羽飼っていたうち無傷の鶏は4、5羽、残りの約15羽も傷付いて死にそうだ。犬の足跡が側の野菜畑に残っており、夜中に鶏舎に入り込んで襲ったとみられる。
養鶏場の面積は、運動をさせる所も合わせて約120平方㍍。針金でとめていたはずの入り口の金網戸に、20㌢ほどの隙間ができていた。
鶏舎の一面には羽が散乱し、死体には痛々しい咬傷がある。鶏はかまれただけで、肉を食べられたケースはない。止まり木がひっくり返ったり、普通では取り外せない餌箱のふたがめくれたりと、パニック状態だったことがうかがえる。
鶏の無事を最後に確認したのは、12日の午後6時ごろ。13日の朝、給餌に来たとき悲惨な状況が目に飛び込んだ。男性は「一瞬目を疑った。何事かとたまげた」と表情を曇らせた。
品種は、イタリア系の採卵用の鶏「ボリスブラウン」。羽が茶色で、茶色の卵を産む。価格は白い卵の3倍もする。被害額は鶏の死亡被害と卵が取れなくなった損失を合わせて20万円以上になるという。
男性は「襲ったのは野犬か放し飼いの犬かは断定できないが、犬であるのは確か。周辺には、放し飼いの犬が数匹いる。犬は規則を守り、ちゃんと飼ってほしい。行政には、野犬対策を徹底してもらいたい」と話した。