県に工事中止要請へ/西原自治会
産廃処分場 「赤土が海汚染」
西原地区の産業廃棄物最終処分場(安定型)工事現場からの赤土濁り水の流出で海が汚染されているとして、西原自治会(佐久田盛光会長)は昨年12月15日に定期総会を開き、同工事の中止を求める初めての議案を全会一致で決議した。佐久田会長らが16日、旧西原公民館で記者会見し、明らかにした。自治会では、新執行態勢がスタートする4月、県に工事中止を要請する方針。
記者会見には、佐久田会長のほか、4月1日付で新会長に就任する長崎光義さん、西原出身の山里雅彦市議らが同席した。
同処分場は、真謝漁港入り口から北側に整備中。この入り口近くに同処分場への進入口があり、斜面に工事中の沈砂池が数カ所確認されている。
赤土濁り水は2012年6月上旬~8月上旬にかけて降った大雨の際に、海岸部から大量に流出。沿岸域の一区間を茶色に汚染していた。
事態を重く見た3漁協(宮古島、池間、伊良部)の関係者らが調査した結果、「処分場の沈砂池に設けられた土管から赤土濁り水は流され、海を汚染した」と原因を指摘していた。
佐久田会長らは「昨年12月からの長雨の影響で、沈砂池にたまった赤土濁り水があふれ、海に流れて汚染している」と説明した。
山里市議は「汚染されない以前の海からは漁獲物があった。しかし、汚染されてからはない」と落胆した。
長崎さんは「北海岸には産廃処分場整備が集中することも考えられる。このようなことが起こらないよう、今後行動を展開していきたい」と決意を新たにした。
県は2009年3月12日、同処分場の開発で宮古環境保全センターに林地開発を許可した。同処分場はまだ完成していない。