多良間ピンザで実証試験/琉大
生産情報をネットで提供へ
【多良間】ヤギ肉やヤギ乳製品などの生産情報をインターネットで消費者に提供する「ピンザ クラウドシステム」を開発した琉大工学部は、多良間島のヤギを対象に同システムの実証試験をすることになり16日、農家説明会を開いた。説明は、同大学客員研究員の平田哲兵氏が行った。
ピンザは、ヤギを表す宮古の方言。多良間へのシステム導入は、多良間産ヤギのブランド化支援を大きな目的とする。
「ピンザデータベース」には①生産者名②与えた餌の種類や量③と畜年月日④肉の格付け情報などを掲載し、肉を安心して買えるようにした。
「多良間産のヤギは、潮風の中で育つ草を食べるので、風味が良くおいしい」と評判がある。琉大は同システムの活用と並行して、評判の真偽を確かめるため肉の成分分析調査も行う。
農家向けには生産を助ける情報や、クレームを含め味に関する消費者の声などを届ける。
多良間村では、子ヤギの下痢が飼育管理の面で課題になっているという。平田研究員は「システムの活用で、餌や飼い方などと病気との関連を把握できる」と撲滅に意欲を見せた。
ピンザクラウドシステムは、総務省の戦略的情報通信研究開発推進制度を活用して開発し、実証試験の段階に入った。
事業説明に先立って下地昌明村長が「畜産農家の皆さんが講話を通して、システムを理解し活用していただけるよう期待している」とあいさつした。