財政メリットなど学ぶ/定住自立圏構想
徳大寺氏(総務省課長補佐)が解説
3月30日に定住自立圏構想の中心市宣言を行った宮古島市は11日、総務省地域力創造グループ地域自立応援課の徳大寺祥宏課長補佐を講師に迎えての同構想研修会を市中央公民館で開催した。市職員や市議会議員、一般市民ら約100人が参加し、構想のポイントや定住自立圏となることによる財政措置メリット、先行地域の取り組み状況などを学んだ。
定住自立圏構想とは、少子高齢化や地方圏の人口減少といった現状を踏まえ、都市機能が集中する中心市と周辺市町村が相互に連携して役割を分担し、自立のための経済基盤や地域の誇りを培うことで、全体として魅力あふれる地域形成を目指す取り組み。定住自立圏となるためには、中心となる自治体が中心市宣言を行った後、中心市と周辺市町村が協定を締結し、「定住自立圏共生ビジョン」を策定しなければならない。
人口5万人程度、昼夜間人口比率1以上など全国で中心市となる要件を満たしている市は243市あり、そのうち4月23日現在で中心市宣言を行っているのは53市、協定締結を実施しているのは12市、共生ビジョンを策定しているのは21市。
市町村合併した自治体は、人口最大の旧市を中心市、そのほかの旧市町村を周辺市町村と位置付ける「合併1市圏域」として圏域形成を図ることができる。宮古島市は3月30日に中心市を宣言、10年度末での共生ビジョン策定を目指している。
研修会では、徳大寺氏が、中心市と周辺市町村が結ぶ協定は▽生活機能の強化▽結びつきやネットワークの強化▽圏域マネジメント能力の強化-について具体的な取り組みを規定する必要があること、構想の推進に向けた総務省の財政措置として、中心市1市に年間4000万円程度、周辺市町村には各自治体に1000万円を上限として交付金が支給されることなどを説明。外部人材の活用や民間主体の取り組みへの財政措置もあること、各省庁が定住自立圏へ優先採択する補助事業が多数、あること、すでに取り組みを実施している地域の協定概要なども紹介した。